泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

死の「自己決定」を疑え

 先日の社会福祉士国家試験の問題が某MLで批判されていた。5択で「最も優先されるべき」と規範的に判断が下せるほどに簡単な話ではないと思う。まあ、どれを答えにしたいのかは、わかるけれど。思慮が浅い。「他県から駆けつけた」長男じゃなかったら、答えは変わるの? なぜ?

問題122 事例を読んで、次のうち、今後のケアの方向性の決定で最も優先されるべきものとして、適切なものを一つ選びなさい。
〔事 例〕
 Dさん(70歳、男性)は、直腸がんで肝転移、リンパ節転移がある。入院している病院の医師から、予後からみて数週間で病院での積極的治療は困難と説明され、現在、医師の往診、訪問看護訪問介護を受け在宅療養している。Dさんは「家がいい。終末期には何も処置しないでほしい」とリビングウィルを往診の医師に手渡し、同居している妻と長女も自宅で看取りたいと望んでいた。意識が低下し本人の意思表示ができなくなったとき、他県から駆けつけた長男が「もう一度入院して少しでも長く生かしてもらいたい」と言った。
1 医師の判断
2 リビングウィル
3 長男の意見
4 公正な立場の第三者の判断
5 妻の意見