泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[ニュース]関係者必読:自立支援法の今後詳細?

 谷口明広氏が数日前の講演でぶちまけた自立支援法の今後についての最新情報(予想)が某掲示板に出ていると情報あり。急いで確認。
http://wwwi1.bbs.livedoor.com/3105545/bbs_tree
 いろいろな意味で、非常におそろしい内容。単純化された利用者像や事業者像が独り歩きしていく怖さ、真偽のはっきりしない情報が業界内に広まっていく怖さ、これからいっそう深まるであろう谷口氏の「当事者」内での孤立、そして何よりもおそろしいのは、もし本当にこのとおりになるのだとすれば、救いがたい障害者福祉の未来。
 掲示板ということで、今後どんどん書き込みが下がって消えていく可能性もあるので、かなりの長文になるが、以下に全文ペースト。もちろんあくまで議事メモなので、そこは注意しなければいけないが、関係者は必読だろう。

去る、一昨日の12/21(水)、大阪市立労働会館(アピオ大阪)において、(資)ステージアさんの主催にて、セミナー『「障害者自立支援法」施行におけるケアマネジメントの全容』が開催され、厚労省の「障害者自立支援法に規定する障害程度区分に関するヒアリング委員」で、愛知淑徳大学医療福祉学部教授の谷口 明広氏が講師として講演されたとのことです。
このセミナーに、懇意にさせてただいています、特定非営利活動法人中部障害者解放センター(NPOちゅうぶ/大阪市東住吉区)の事務局長、石田義典氏が出席されており、以下のようなコメント――
『事業所等にファックスで企画の通知があり参加。主に支援費の介護派遣事業所のスタッフ向けのようで全体で200名、当事者は数名(車いすは2人)だった。』
『彼自身も「今日は事業所バージョンでしゃべります」として厚生労働省の最新情報をかなり「分かりやすく」「おもしろおかしく」説明。』
『障害区分認定についての医者の意見書の必要性など厚生労働省と彼の意見の食い違いはあるが、ほぼ厚生労働省サイドの説明と当事者運動のけなしみたいな内容でかなり「えげつない」内容だった。ただ彼の発言を通じで厚生労働省の意図、目指すものはかなり分かりやすく透けて見える感じだった。』
『資料はパワーポイントと同じ内容で100%厚生労働省のすでに出た資料。(テーマは「地域で暮らす」を当たり前に。これも厚生労働省と同じ)』
『支援費での極端に高額な例の提示の仕方などは8月24日名古屋での企画時の公明党参議院議員、山本保氏の発言と非常に似ていた。講演はほぼ資料の流れに沿ったもの。』
――とのコメント共に、議事メモをご送付いただきました。一部加筆、編集の上、引用させていただきます。
尚、下記にも付記しておりますが、くれぐれも「議事メモ」との性格を把握の上、講演者、もしくは議事メモ作成者のご迷惑にならないように、ご覧いただきましたら幸いです。
――――――――――――――
■セミナー『「障害者自立支援法」施行におけるケアマネジメントの全容』議事メモ■
・日時:2005年12月21日(水)13:00〜16:00
・場所:大阪市立労働会館(アピオ大阪)
・講師:谷口 明広氏
 ▽厚労省障害者自立支援法に規定する
  障害程度区分に関するヒアリング委員」
 ▽愛知淑徳大学医療福祉学部教授
 ▽自立生活問題研究所所長
 ▽京都北部障害者地域支援センター
  「きらりんく」事務局長
・主催:(資)ステージア
・共同主催:(有)自立生活問題研究所
※ この記録は当日の傍聴者メモ(その場でのメモをその後整理したものでテープおこしでは無い)であり、正式な議事録ではありません。発言の趣旨を正確に反映していない部分もあるかと思います。講演者にご迷惑をかけないよう、その旨ご理解の上ご覧下さい。

(冒頭)
障害者自立支援法の行政説明は良く分からないと思う。課長会議も下の者が参加し、ようわからん者が分からん者に伝え、それをまた伝えるのでよう分からんのです。
・みなさんが一番知りたいのは単価でしょ。これは2月の初旬から下旬に出てくる。介護保険とそんなに変わらない。ただし介護保険にない重度訪問介護などはどんな単価は分からない。
厚生労働省の担当は単価を考える担当と制度の仕組みを考える担当はまったく違います。(谷口氏がよく話をするのは後者の制度担当らしい)
(障害保健福祉施策の直面する課題)
大阪市は全国では東京都に次いでホームヘルプは2番目。大阪市の障害者はすごく幸せ、ただすごく赤字である。東京と大阪で全国の赤字をほとんど食ってる。ホームヘルプは東京、神奈川を除けば西高東低。なぜ支援費は赤字になったのか。ルールがないから。例えば私は京都市では250時間でも高松市に行けば30時間になる。支援費は窓口でケンカできる、大きな声を出せる人がたくさんの時間をもらえる。また窓口に誰が座っているかで時間が違う。これはおかしい。一人一人に何時間必要なのかを国は障害者の良心に頼ったのです。アホです。良心なんかあるわけないんです。(笑)また親の口コミも怖い。使わないと損だと思ってる。国は障害児のホームヘルプには疑問を持っています。いろんな問題ケース。
・例えば・・・障害児の介護で親は「何かあったら叱っといて!」というがなんでヘルパーが子育てをせなあかんのか。/半年後までプールの予約をする親。私が親に「半年後に本当に本人はプールに入りたいのか?」と聞くと「親だからわかる」という。/ヘルパーを(制度を)使ってないのに「使ったことにしていて」とか時間数を多めにつける親など。・・・でも支援費ではこれがばれないんです。
(支給決定者数の推移〜利用者像)
・障害児の2.41倍〜中心は中高生のガイドヘルパー。国に中高生のデイがないからガイドヘルパーを使う。しかしなぜ1対1でないといけないのか。集団でよい。だからタイムケア事業で、これは養護学校で放課後、障害児を預かって業者が入るもの。6時頃までで全国に広がっている。来年10月から中高生のガイドヘルパーはダメになる可能性がある。タイムケア事業でいきなさいとなるのでは。
・知的が1.77倍〜主にガイドヘルパーが増えた。なぜ増えるのか、本当は自分で行けるやろ…でも不安だからガイドヘルパーをつける。これを市町村が認めてきたんです。
ホームヘルパーサービス実施市町村数)
・毎年、市町村数が減っているが、実施率は上がっているのは市町村合併による数字のマジックです。実施していない市町村が実施している市町村と合併すると「実施している」になります。奈良県のある自治体の障害者計画に関わったことがありますが、ホームヘルパー制度のない市町村の担当者に「なんで0なの?(制度がないの?)」と聞くと「本人が知らないんだと思う・・」「知らせるべきでは」「でも知らせたら使いたくなる」(笑)
・支援費になって入所施設から出る人がもっと出るからとかと思ったが出なかった。理由は2つ
①施設職員が出す努力をしなかった。
②本人が出る気にならなかった。
施設にいたら金が貯まるんです。ものすごく金を持ってる。
・長野県のコロニーの入所者が500人、調べたら全部の貯金いくらだと思いますか?・・27億円あった。私は車いすごとこけそうになった。(笑)
厚労省は使わないなら返してもらおうと考えた。措置制度が悪かったんです。本人に出して、かつ施設にも出す。施設の食費がいったいいくらかかっていると思いますか?(参加者に500円、1000円などで挙手)1日で1600円、1ヶ月なら4万8000円ですよ。だったらもっとおいしいものを食べさせろよ!です。
・今後は個人と施設にではなく全部個人に払う制度に変えます。今までは施設にいてもいなくても同じ金で寝ててもよかった。だから正月に施設は障害者を家族に帰すんです。日割り計算です。例えば障害者がストライキして、また施設障害者みんなで2ヶ月海外旅行に行きましょう・・となると施設はつぶれます。
 知人の計算では2週間全員いなくなれば施設はつぶれるそうです。施設をつぶすチャンスです。
また通所施設では名前だけで来てなかった人もいた。今までは1年間来なくても国はお金を出した。
・施設は日払いになると障害者を家に帰したくなくなる。でも本人は帰りたい。その時に家でホームヘルパーを使わせろとの意見が厚労省に集まり、その方向での制度改正がなされる。施設から地域へ帰る時にホームヘルパーを使える、地域のへヘルパーステーションと契約を結び、売り上げの一部を施設にも返す、という案を考えています。
(在宅サービスに係る予算の状況)
・昨日財務省予算が出ました。
(人口1万対支給決定者数)
滋賀県が一番高いのは嘘です。滋賀県は全員に3時間を給付していて、いざと言うときのために。
 だから実は大阪がナンバー1です。東京は、というと東京は健常者の割合が多いんです。大阪は普通。東京には障害者がいないんです。人がいっぱいで山の手線に乗ったら車いすごと宙に浮きました。(笑)
(一般就労への本人と家族の希望等)
・障害者の60%は働きたくないとなっている。こんなに働きたくないとは、どうする!厚労省はもっと働けるはずだと思った。いまは授産施設から一般就労へは0.02%だけ、0.2ではないんです。なぜか、クッキー作って一般就労があるか?パン焼いてて神戸屋に勝てるか?陶器焼いてタチキチに勝てるか?私は群馬県の施設の理事をやってる。朝5時から職員がパンを焼いてます。でも利用者が来るのは9時なんです。私は職員に「一般企業に行けるのはあんただけやな」と言います(笑)
・なぜこうなるのか。施設職員は一般企業の経験がないんです。私は大学で教えているのでわかりますが、優秀な学生は企業に行き、そうでもない人が施設職員になります。職員希望者にいうのですが、一般企業に就職してから施設職員でも遅くないよ。
(サービスの一元化、改革のポイント)
・1級の障害者でも走り回っている障害者もいます。なぜかというと小さい時に寝たきり、写真は赤ちゃんの時の。厚労省は手帳は信じられないと思ったんです。
・施設は33種類のを6種類に整理。
国は「重度のことはあんまり考えていません」。私の習った障害者福祉は障害の重い人のことを考えて、重い人のことを考えたら軽い人のことも考えられる。でも重い人のことばっかり考えていると軽い人で救える人でも救えない。作業所でもバリバリやれそうな人がいる。
 なぜか「この人がいなくなると他の障害者に工賃が出せなくなる」(笑)
でもその人の幸福はどうなる?施設としてはその人をおいとくと楽。国はその考えにメスを入れたんです。軽い人は働ける可能性を求める。そうでない人は働かなくて結構。まったくシビアです。
・04年10月にグランドデザインというのが出ました。障害福祉介護保険に入れ込む。でも11月、国会議員にけられた。これでは選挙の不利になる、自民党が危ないと。
厚労省と私たちは居直るしかなかった。介護保険は2兆円の赤字。介護保険が倒れた時に障害者も共倒れにならないようにこの制度を作った。介護保険とまったく関係のない制度を作った。でも国としてはやっぱり統合させたい。
平成22年(3年後?)ドッキングする可能性があります。でもすべてが介護保険ではない。介護給付は介護保険をエンジンとし前輪。訓練等給付は介護保険とあわないので税金でやりこれが後輪。しかしいずれ介護保険になります。
・すでに高齢者の施設は動き始めている。高齢者の施設はめちゃめちゃきれい。障害者と軍配がどっちに上がるかははっきりしている。今高齢者施設は「障害者はうるさい」と思っている。このままなら安泰。しかしこれから高齢者も減っていく。今年から日本の人口が減っています。高齢者ばっかり追いかけてもダメだから次は障害者となる。厚労省もそれなら高齢者のケアマネ資格で障害者も全部任せてしまおうと思っている。
(サービスの負担)
障害者の自己負担はいくらか。これは本当は支援センターか役所が答えるべきです。費用負担は今までは一覧でだせたが、減免とかいろいろ作って個別になって一覧表にならなかった。ややこしいです。
(自立支援給付の体系)
・ホームヘルプは今と同じで障害程度区分1〜3です。身体家事の単価を分けるかどうかは決まっていない。
・国はホームヘルプ資格をなくす方向です。2〜3年で完全廃止。3級はもう使えない。実際に働いている期間が1年間ないとダメです。1年間未満の人をこれから採用すると損です。
1年未満は500時間受講で1年以上は150時間受講で350時間も違います。国は本気でこれ以上ホームヘルプを働かせると介護福祉士が働けなくなると思っています。国の作った介護福祉士の学校が危ないと思っています。今回から介護福祉士の実技免除のために学校での実習が可能となりましたがもう予約でいっぱいです。学校経営が復活しつつある。1級まであると時間数が免除されますが、これからは介護福祉士を取るべきです。
・重度訪問介護は区分の4、5です。ちょうど私くらい。私はちょっとウソついて5です。新しいソフトが国でできました。
 106項目あって全部×と書いたら6になると思ったら大間違い。全部×だとウソだとわかって4くらいに落ちます。「あんまりウソつくな」と関係者に言ってください。年寄りは障害が重くでるのをいやがりますが、障害者は軽く出るのをいやがります。
 認定調査では重くしようと努力します。同じようなことなのに項目によって○や×と答えるとソフトでわかります。これは障害の重さをみるのではなく周りにどれくらい手をかけるのかです。
 行動障害で壁にバンバンぶつける人より夜中に騒ぐ人の方が重い。なぜかというと周りに迷惑をかけるからです。今「こうすれば区分6がとれる」という本を書けば売れます。作りませんが(笑)
・重度訪問介護は単価を安くして時間を長くします。移動も入ります。単価はわからないが…厚生労働省には谷口が言ったと問い合わせないで下さいよ・・・1500円くらいだと思う。
・今までは身体介護でも日常生活支援でも本人のふところは痛まない。でも今度は違う。これからどっちを選ぶのか、痛むのは本人。ケア計画を立てる人はそこを考えないといけない。朝早くの介護、これをこんな安い単価ではできない。でも全部身体介護にしたら本人は生きていけず、共倒れになる。
 1500円だと事業所に残るのは200円くらい。これで事業所として成り立っていくのか。
障害者団体は東京、大阪などでパーソナルアシスタント制度を要求してきた。自分たちで介護者を決めさせろ!と、資格を持っているかどうかは関係ない。
 私にとってよければそれでよい。これを認める動きもなきにしもあらず。でも市町村は直接障害者には振り込めないから団体に振り込み、団体はマージンを取って本人に振り込む。それで本人は1200〜1300円くらいで行く。団体は何もしない。アメリカはもっと極端でダイレクトペイメント方式。日本はアメリカ型に移ってきている。
 ヨーロッパ型では限界なのでアメリカ型に転換している。アメリカには福祉事務所も社協もないんです。今回の法律には福祉事務所も社協も出てこない。
行動援護〜知的の日常生活支援と思ってよい。今年から行動援護は動いているが全国でもほとんど実施されていない。今日の参加者で行動援護指定事業者の方は挙手を!(1人挙手。多分大阪市で1カ所の事業所)全国でも指定された事業所はまれなんです。
 で厚労省としては失敗と認めているんです。だからすごい規制緩和をする。区分4くらい。逆に単価は低くなる。
 今の基準のような障害の重い人は町の中にいない。町の中が施設みたいになっているところだけ。滋賀県甲賀郡とかだけです。ホームヘルプの経験2年、そんな人どこにおんの?と思います。
・療養介護〜筋ジスやALSの末期、重心のデイです。医療機関しかできません。
生活介護〜大きな問題点があります。今のデイよりもっと緩和しようとしている。規制緩和はすごい。今は送迎・ご飯・風呂の3点セットだが今後は3つともしなくてよい。空き店舗、空き教室、自宅でもOK。目指すは歩いて行けるデイ。
だから送迎なしで、3つは本人が希望すれば実費。私が言っているのではない、私を恨まないようにね。
 施設長はいらない。NPOで20人以上必要で各事業は10人以上です。作業所も20人以上いないと認められない。
・児童デイ〜今までとまったく同じ。ただし使えなくなるものもある。(具体は不明)
ショートステイ〜今と同じ。
・区分と給付金額〜介護給付と訓練等給付は今後は障害程度区分による。例えば40万円なら全部で40万円。
 昼に使うと夜が少なくなる。今までは重度だとホームヘルプ+デイ+ショートだったが今度は合計で昼夜合わせて全部で40万円となる。全部でいくらという事から始まる。ただし国は上限を決めない。
 なぜか?国は市町村への国庫補助基準を決めるだけ。しかし例えば同じ40万円の決定だった人が2人いて、1人は20万しか使わない。もう一人は私みたいにどんどん外出して使って60万円使う。20万しか使わない人の余った20万円を60万の人に回す事が可能ですが、でも20万の人が私をみて「私ももっと使いたい」となるとどうなりますか。
そうなると上限は自ずと決まってくる。
大阪市は独自に上乗せするなら別だが、するなら地域生活支援事業の移動で上乗せするのではないか。私はこっちの可能性が高いと思います。
・笑ってしまった事例ですが、名古屋市でショートで7年間入っている人がいる。全国でも結構あるんです。ショート4年間とか。
なぜかというと入所より利用者負担が少ないんです。名古屋ではどうどうと「ショートのロングでお願いします」となる。(笑)
でもこれからはダメです。
・重度障害者等包括支援〜区分6です。
大都市圏では一人当たりにすごい金額が出ている。京都市では上限がない。京都市では1ヶ月250万円超が8人、300万円超が2人、全国では500万円超もいる。こんなにいるか?と思う。
・私が在宅なら300万円は取れる。私は市町村を牛耳る力がある。でも働いているから無理です。でも計算してみると200万あったら月給20万円で10人雇える。8時間労働でも常に5〜6人置いておける。富士山でも登っちゃいます。(笑)
 これが支援費の問題なのです。事業所としてはおいしい。ぜんざいに蜜だ。(笑)
 でもそういう人に限って自分のためだけの事業所を作るんです。お前はアホか?って思います。出し過ぎやろ。
・では一人当たりいくらくらいが妥当か。厚生労働省は施設に入っていたらいくらくらいという考え。
 ここは厚労省と私と考えが違います。厚労省は重度は施設へと思っている。ポンと金を出してやってもらう。
 24時間、医療的ケアが必要な人でみなさんなら1ヶ月いくらでやりますか?50万?60万?80万?100万?
(挙手を求めるが会場からはほとんど手が上がらず)
 当初国は80〜100万円くらいで考えていたが、ある所からのプレッシャーがかかった。100万では無理、120万は出してくれ、と。
 今後は国は施設と在宅を分けず、上限も一緒とみている。それくらいの重度は施設ではいくらでやっているか。50万円くらい。
 でも50万円では無理かなと厚労省は思っているが、100万円は出ないと予想している。
ただ事業者はこれでやれるか?やれないとなると重度障害者は困る。医療行為となるとやって良い事とダメなことがある。
 以前は胃薬飲むのも×だった。だから介護者に言ってた。
「これは医療行為だ。でも薬を空中に置くことはOK。後は俺が薬に飛びつく」(笑)
今はOKになりました。包括支援の単価については・・苦しいですね。あんまり認められない。でもこの世界ではそんなに重度でもないのに「重度、重度・・・」ってなります。特に母親は自分の子どもはすごく重度って言いたがります。私の母もそうです。でも私にしたら母の方が重度です。体重が80キロありますから。(笑)
・ケアホーム〜新しい概念。小さな施設と思ってください。
お年寄りのグループホームと同じ。ホームヘルパーは入れないのでみなさん(ヘルパー事業者)は関係ない。ユニットケアで7人×3ユニットまでOKです。ユニットケアは介護者も決まっています。障害者との相性もあり当たりはずれがあってどうしようもない。
 障害者は障害者同士でケンカするし・・・特に自閉症は一人が良いのにグループホームは向かない。人のこと考えたくないのに集団で住めますか?腹が立つ。
・入所施設支援〜昼と夜と同じ事やってたらアウトです。施設では昼もずっと寝てたりテレビ見てたり。もっと働けよって思う。こんなん言うたら殺されますね。
・自立訓練〜業者は可能性のある人から取っていきます。スコア制で希望しても全員は受けられないです。考え方はこうなります。
 例えば半年やってもできない(効果がない)→市は指導しているヘルパー(職員のことのはず)に力がない→ヘルパーを変える→それでもできない→事業所を変える→それでもできない→この人にはできない、となる。寝たきりの人が就労希望してもダメでしょう。
・就労関係〜パスします。
・支給決定システム〜今日の参加者で障害者ケアマネジメント受講者の人?(手を挙げたのは200人中10名程度か)少ないですね。他のところはもっと受けています。大都市特例がなくなるので大阪市大阪府管轄になります。
・今後の決定では知的の軽い人は非該当になってサービスがまったく受けられなくなります。市町村の制度もダメかも知れない。ただこういう考えもある「非該当は介護がいらないから非該当」
・医者の意見書も必須です。私は反対した。障害者は医者にかかっていない人が多い。私もそうです。厚労省の担当者と話しをした。
私が「医者にはかかってない」→「でも風邪くらいひくでしょ」
「風邪で年1回くらいです。しかも内科」→「それでもOK」「皮膚科でも?肛門科でも?」→「歯科以外ならOK」
 意見書は5250円かかります。(5000円+消費税)
 でも診察料は自己負担。意見書を書いてもらうためには診察が必要です。3000円くらいかかります。
 日頃病院に通っていない人は多いんです。医者にしたら意見書は細かいことをたくさん書いて5000円ならそんなんはやりたくない。
 とにかく介護保険と一緒にしたいんです。でも高齢者は医者好きだが障害者は元気な人がいっぱいいます。

・支給決定までは市町村の仕事。そこからがみなさんの仕事。
ケアマネは金になるか。「なる」という考えは甘い。
 市町村から委託された相談支援事業者のみがプランを作れる。事業所はラフプランを作ることもできない。
 サービス利用計画書はケアマネ受講者のみが作れる。大阪府はその事に気づいていて1日300人くらいの講座を何回か今やっています。大阪市は気づいていません。
サービス利用計画に金が付くのか。でも利用計画の対象者は15人に一人くらい。すごい手間のかかる人だけです。
 10年施設にいて地域に出る人や母親が精神障害者で子どもが知的とか、行動障害の人とか。
これは介護保険と違って毎月付いてくる。本当に手間のかかる人をやれば「ありがとう」という金。
 そうでない人には全然付かない。手間取るか金取るか。楽して儲けようとしたらダメ。
・移動〜市町村の事業となるので注目です。
包括支援は国は親やインフォーマルサービスも使いなさいと言ってる。
≪質疑応答≫
Q〜施設から家に帰った時のホームヘルプ利用は良いが、問題は施設からの帰る時の介護。
大阪市では施設ガイドヘルプがあるが、この部分はどうか。(質問者は石田)
→これははっきりしている。家までの送迎介護は施設側の責任です。現実にはダメだが裁判をやったら絶対勝てます。
Q〜移動介護の4〜9月の費用負担はどうなるか。(質問者は石田)
→サービスは支援費のままなので移動も費用負担となります。10月からは市町村ごとの負担となります。費用負担。
妻も働いています。私も働いています。私の負担は今後は安くなります。心の中ではラッキー(笑)いっぱい稼いでいる人は助かる。中途半端な人が困ります。
Q〜今、三法によるサービスをやっていますが、申請は受け直しですか。
→市町村によって違います。例えば移動は指定事業者か一般か・・。今後は単価が低くなってみんな手を出さないとなると社協や大規模法人となるかも知れない。
Q〜ヘルパー資格について再度
→1年以上の経験でないと500時間で、そうでなければ150時間受講。これは介護保険の方で決めることで障害福祉はこれに準ずることになる。
Q〜デイの中に中高生は入るのか
→まったくない。タイムケア事業。
Q〜支援相談員の免許はどうなるか
→相談支援専門員という名前。都道府県の養成研修+3年の障害者の仕事経験。経験の期間は研修と前後して良い)これがないとケア計画を立てられない。
Q〜精神障害者のケアマネを受講したが今後3障害統合でどうなるか?
→精神のケアマネでOKです。気を付けて欲しいのは精神は4月1日からは仮決定で今後サービス利用で申請がいることです。
Q〜ケアマネは2009年以降はどうなるのか。介護保険との関係はどうか。
→一番怖いのは介護保険に飲み込まれること。障害者の支援センターの何十倍も在宅介護支援センターがある。市町村によっては高齢者の支援センター一本のところも出てくる。ではどうやって生き残るか。専門性しかない。ややこしい人がいっぱいいる。障害もややこしい。性格もややこしい(笑)ここで生き残るしかない。障害の重い人に対応できないとつぶされます。
Q〜障害児の支給量はどうなるか
→市町村による。使えるものも減る。自己負担も出てくるので業者としてはよく説明しておかないとトラブルになります。市町村はパンフレット配って終わりなので説明しません。
自己負担を減らすには貯金が350万円以下とかもあります。
グループホームの話・・・貯金の話をで通帳を見たらほとんどおろされてる。タンス貯金になってる。で4人で合計4000万円を超えていたそうです。(笑)先日の高齢者のホームヘルパーが4500万円盗った話。私にすれば「4500万円も持ってはったんや」
・私の説明は今までの説明の中で一番分かりやすかったでしょ、その自信はあります。
以上

 ちなみにこの情報は全国地域生活支援ネットワークのMLで送られてきたが、その事務局長の戸枝さんのコメントは、

 僕から見て、そうかなぁと疑問に思う部分もありますが、さすがに谷口さんの情報量は多いなぁと関心する部分もあります。
 あまり世の中が語りたがらない自立支援法の予想?をかなり突っ込んで話されています。
 全部が正解ではないという前提で。ご参考までに。

 とのこと。