泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

 先週の金曜日に自分がしたヘマがもとで、子どもと家族の生活に重大な影響。ヘマをした瞬間から嫌な予感はしていたが、最悪のほうに向かった。予感というか、予測ができていた。予測ができたというのは、その子のことがよくわかってきたということでもあるが、その力を今後活かすことができるかどうかさえもわからなくなっている。サービスの利用を続けられるかどうかの危機的状態。本人は全く危機とも思っておらず、家でゴキゲンな日々を送っているが、支援者や家族は暗い気持ちでいる。
 関係者以外が聞けば、なんでそんなことで、と皆が言うであろう些細なことである。ぬいぐるみの扱いひとつ。それで放課後の毎日の本人および家族の生活がすべてひっくり返ってしまうことの恐ろしさを痛感している。しかし、いくら痛感したところで、すでに起きたことはどうしようもない。教訓にはなったが、取り返しのつかない失敗というのが、自閉症の子ども相手の仕事にはしばしばある。来週の前半が山場。それでうまくいかなければ、次に打つべき手は浮かばない。
 その反省から読み始めたわけじゃないが、

自閉症/アスペルガー症候群 RDI「対人関係発達指導法」―対人関係のパズルを解く発達支援プログラム

自閉症/アスペルガー症候群 RDI「対人関係発達指導法」―対人関係のパズルを解く発達支援プログラム

  • 作者: スティーブン・E.ガットステイン,小野次朗,Steven E. Gutstein,足立佳美,坂本輝世
  • 出版社/メーカー: クリエイツかもがわ
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 単行本
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 TEACCHや構造化の話に「この社会で生きていくのに、本当にそういう努力ばかりでいいのだろうか」と思う支援者にとってはきっと良書(TEACCHには誤解から来る批判も多かったが、これはまさにその弱かった部分を補強してくれる)。生活の中で感じられる困難をみんな認知の話に還元してしまう人にとっては、どう感じられるのかわからない。自閉症の子どもたちとの関係性に喜びを見出しているような学生ボランティアには受けがいいんじゃないかと思う。まだ少ししか読めてないが、おすすめ。
 それにしても、憂鬱。何をしても気分晴れず。学生の卒論の相談に乗るうちに1時間ほど浮上。すぐまた沈没…。