泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[近況]

 なぜか連日、このあたりで知的障害の方が保護され続けているのだが、なぜだろうか(保護したのは、うちの法人ではない)。暑すぎず寒すぎず、外出にいい季節だからだろうか。保護したはいいが、どこの誰だかわからないというのは大変だ。答えている名前も本当に本人のものかどうかわからないし、仮に正しかったとしても名前だけでは探せない。こういうときって、どうするものなのだろう。捜索願いが出てくるまで待つしかないのだろうか。
 話は変わって、今日は学生スタッフが就学前の子どもの保護者から話を聞く場をセッティング。年末にはじめての試みとして、就学前の子どもにも参加してもらえるプログラムを組む予定にしているためである。話を聞いてみると、就学前の子どもの保護者サークルが数ヶ月前の倍ほどの人数に膨れ上がっていることがわかり、驚く。軽度発達障害の子どもの親も含んでいるとはいえ、養護学校生の親の会(小1〜高3の保護者)よりも多くなっているではないか。向こう数年、養護学校は新入生で大繁盛かもしれない。しかし、養護学校の校長は「特別支援教育もはじまるし、どんどん地域の学校へ行ってください」と言っている。一方で、地元小学校の校長は「養護学校へ行ってください」と言う。まだまだ具体的なイメージが見えない特別支援教育の中で、親たちの悩みは尽きない。
 進路問題はともかく、有意義な聞き取りだった。障害をもつ乳幼児とその家族の生活のリアリティ。学齢期とはまた違う。学生スタッフの視野を広げる可能性のある話ばかりで、こういうところから福祉的な視点を学んでいってほしいと思うのだが、次の用事が控えていて終了後はさっさと帰っていった学生たちは果たして何を考えたのだろうか。