泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[近況]障害程度区分

 事務所を同じくする某法人の施設部門で、判定ソフトを用いて利用者の障害程度区分を出したらしく、見せてもらう。
これはひどすぎる。
 全く支援の必要度と比例していない。車イス利用者の判定が極端に高く、行動障害のきつい利用者の判定が極端に低い。これでは行動援護類型なんて、誰もあてはまらない。自分がガイドヘルプをしている人もいるが、1対1での対応にさえ限界を感じる彼がどうして区分3なのか、全く理解できない。
 食事が全介助でも食べ物が自分の口に運ばれてくるのをおだやかに待つことのできる人と、食事は自分でとれなくもないが、手づかみになったり、隣の人の食事にちょっかいを出したり、飲み物で遊びだしたり、特定のメニューしか食べなかったりする人のどちらに支援の必要度が高いか。
 排泄が全介助でも介助者の手を借りて5分で用を足し終えられる人と、自分で排尿も排便もできるが、身障者トイレに入って中から鍵をかけて30分ほど出てこなかったり、便座を上げずに排尿したり、便器の中の水をさわったり、トイレットペーパーをどんどん引き出したり、排便中に何度もドアを開けてヘルパーを呼んでその反応を楽しんだりする人のどちらに支援の必要度が高いか。
 外出中に電車に乗車中に車イスを停止しておけば落ち着いていられる人と、周囲の人を触りにいったり、車内で大きな声を出したり、座席にわずかなスペースがあれば他の乗客を押しのけてでも座ろうとしたり、どうしても先頭車両の一番前でなければ納得できない人のどちらに支援の必要度が高いか。
 うちは児童の支援が中心のため障害程度区分の判定があまり影響しないが、この状態は見過ごせないので、自治体には判定ソフトの結果を大いに疑って、しっかり勘案事項を踏まえられるように働きかけるつもり。きっと精神障害の方たちなんて、ほとんどが区分1や非該当になるんじゃないだろうか。ああ、腹が立つ。もう何もかもがムチャクチャである。