泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[近況]クレジット契約

 ある人が高額商品をクレジット契約で売りつけられ、関係者一同「またやられてしまった」と脱力。初回ではない。毎回ちょっとずつ状況は違うが、金にまつわる問題は数年ごし。このケース一例を詳述すれば、知的障害あるいは発達障害をもつ(と疑われる)人の金銭管理の問題がどれほど難しいかを十分に説明できるのだが、どこまで書いてよいか。単純に「地域福祉権利擁護事業を使えば」とか「成年後見制度があるじゃないか」とか言うのが、どれほど単純極まりないことかもよくわかる。
 セールスに来た男にありえない金額の布団をその場で売りつけられ、さらに手数料は35%。総額は50万以上。5年ローン。契約から既に半年が経過しており、クーリングオフ期間も過ぎている。所得がほとんどないのにお金にルーズで、過去にもいろいろとあったため、さまざまな対応が講じられ、自由になる金銭は限られている。それでも、やられた。
 いわゆるクレジット契約、正式には「個別割賦購入あっせん」というやつで、非常にたちが悪い。消費者からすれば販売業者から物品を買ったように見えているが、契約上は信販会社が立て替え払いをして、消費者は信販会社に分割で代金を支払っていく。
 信販会社はそれなりに大きな会社だが、おそらくほとんど販売業者の悪徳ぶりもわかっていない。セールス当日に販売業者がなぜか信販会社との契約書を持参して、その場で契約し、物品の受け渡しもその場で行なわれているのも不可解である。信販会社による信用調査を経た後に契約して物品の受け渡しがあるはずなのに、そのプロセスが大きく飛ばされている。連帯保証人の欄も空欄。玄関口でちょっと話して「いいカモだ」と思い、その場で一気に契約を済ませようとしたに違いない。
 手数料35%はひどいように思えるが、あくまで「貸付」ではないので、利息制限法や出資法の規制は受けないのだという。旧通産省の通達でクレジット契約も出資法上限に準ずるように努力要請はあったようだが、それも守られていないということなのだろう。
 販売業者にソーシャルワーカーが非通知設定で電話してみると、番号を通知してかけ直せとアナウンス。見事な悪徳っぷり。信販会社はどう反応するのだろう。
 近いうちに弁護士登場となりそうだけれど、自分は悪徳業者以上に信販会社に頭に来ている。価値のないものを価値のあるように売りつける者はいつの時代でもいるだろう。だからこそ、それに待ったをかけるための仕組みが講じられている。この場合、信販会社がほんの少し支払い能力を確認すれば、判断能力が十分でない人が食いものにされるのを防ぐことができた。
 あんまり雑な商売をしていると、どっかの消費者金融みたいにいずれ痛い目を見るよ。ヤマト運輸の子会社とかいう信販会社さん。