泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

圧勝/完敗

 予想を超えた自民党の圧勝のようだ。かなり極端な数字になるのだろう。今後も小選挙区制で大丈夫かという話まで出ている。残念だが、福祉は全体として切り捨て路線が進むだろう。障害者福祉がこれから大きくなることはあるまい。高齢者福祉にしても同様である。いかに抑制をかけるかだけに注目が集まる。
 自分は小選挙区比例区自民党に票を入れなかった。自立支援法が再提出されないと、この先どうなるかわからない不安はある。次年度、支援費の支給決定が厳しくなる可能性もあるし、事業所としても今以上に苦しい運営状況になるおそれもある。それでも、政策全体を見れば、アメリカ大好きで新自由主義的まっしぐらの路線をこれ以上進めていくことには、やはり同意できない。
 郵政民営化に国民がOKを出したということは、構造改革にOKを出したということだと小泉は言うだろう。しかし、郵政以外の構造改革というのが何のことを指しているのか、国民のほとんどは何もわかっていない。選挙前になると「意外と国民は冷静に政策を見ている」などとマスコミは言うが、何の根拠もない。大衆迎合の視聴者礼賛にしか思えない。
 大多数の国民にとって、政治なんてまだまだ自分の生活に密着したことでもないのだ。そうでなければ、こんな単純な結果が出るはずがない。それでも、この先どんなことが起こっても、それは民意である。おそらく結果が出てから、「いくらなんでもこんなに勝たせてよかったのだろうか」という国民の不安感が高まりだすのではないかと思うが、後の祭りである。国民はたくさんの覚悟を決めなければならなくなった。もちろん自分も。
 この後の国会で自立支援法が通ったとき、法案反対の当事者にはマスコミを通じて言ってほしい。「国民はみんな自分たちの命や暮らしのことなんか、何も考えちゃいないのだ」と。「選挙で郵政法案の陰に隠れて争点にならなかったせいだ」なんて消極的なことは言ってほしくない。「自分たちの生活を脅かすのは政治ではなく、そんな政治を選んだ多くの国民たちなんだ」と。
 法案反対して「刺客」を送られた議員は多くが通っているようだ。だとしたら、何のための選挙だったのか。民意って何だ。あまりにうんざりなので、読書して寝る。