泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

NEWS23

 自閉症児の特集をやっていた。やけに「実名公表」を強調するのだけれど、かえって違和感。何だろう、この違和感は。実名を公表できない、しちゃいけないと思っているのは、むしろ当事者というよりもマスコミの側なのではないか、という気もする。以前に、森達也の『放送禁止歌』で読んだ自主規制と似たような構図にはなっていないだろうか。いや、「マスコミに取材されたら、匿名にしてくれって言います?」なんて話、利用者ともしたことがないから、実態としてどの程度まで実名を隠したいのかはわからないけど。
 メインキャスターから支援体制について聞かれた取材担当者は、発達障害者支援法ができたばかりでまだまだ十分でないという説明。発達障害の中でも自閉症についての話なのだから、もっと具体的に利用できる福祉サービスについての話があってもよさそうなものなのに、全くなし。調べてないのか、あえて省いたのか。そろそろ「自閉症ってこんな障害」ということを伝えるのが精一杯の報道を超えてほしいけれど、これは視聴者のレベルもあるので責められない。
 裁判のはじまった「騒音事件」については、相変わらずの報道ぶりで、何も進歩していない。どの局も同じ。逮捕時と何もコメントの質が変わらないのって、恥ずかしくはないんだろうか。いつものVTRを流しておけば、また数字がとれる、という程度の報道姿勢しか見えない。こっちの「実名公表」は当たり前で、何の疑問もないようだ。