泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

「きょうだい児」についての本

きょうだい―障害のある家族との道のり

きょうだい―障害のある家族との道のり

 障害者の「きょうだい」について書かれた本の存在は、世間にあまり知られていないだろう。この数日、はてなブックマーク知的障害者とその「きょうだい」に関する記事が上位表示されているが、それらだけを読むと理解がひどく偏りそうな気がするので一冊だけ紹介。
 この本の著者たちは、それぞれ障害をもつきょうだいがいて、各地で「きょうだい児の会」運営にたずさわっており、今は教育や福祉関連の仕事をしている、という共通点をもっている。「きょうだい児がきょうだい児のために書いた本」だけれど、保護者や支援者が読んでも学べることの多い内容。
 個人的な関心としては、この10年ほどで障害福祉サービスはずいぶん量的に増えたので、それがどのようにきょうだいたちの意識に影響しているか、を誰か研究してはくれないだろうか、と思う。障害児とポジティブに関わろうとする大人の姿が身近にたくさんあったときに、きょうだいは何を感じているのか、と。
 うちの法人はきょうだいもいっしょに参加できるプログラムをたくさん組むけれど、きょうだい児どうしで仲良くなっていく姿にある種の連帯意識を感じたり、学生スタッフを見て「自分もいつかスタッフになりたい」と言ってくれるきょうだいに明るい未来を見たりもしている。