泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

屋内ガイドヘルプの怪

 午前。役場で二課まわってから、子育て広場へ。
 毎日不特定多数の子どもが出入りする場である。行くたびにはじめて会う子がいっぱいいるのだが、ちょくちょく「気になる」子がいる。自分の発達を見る目に十分な自信はないものの、おそらく診断名がつくところまではいかない。でも、その子の強い特徴ではある。不安や自信のなさから出ている行動がすごく「反社会的」に見えて「言うことを聞かない」という捉え方をされてしまう。保護者はきっと苦労するし、すでに大変さはあるようだ。未就園なので、下手をすると「保育所に通うようになったら、きっとできるようになる」とか周囲から言われかねない。大きな集団に入る前の段階で関わる支援者からの助言はとても重要。保育所や幼稚園の登所拒否にならないためにも。その意味で「子育てひろば」とか「一時保育」の責任は重い。
 午後。相談支援事業者から続けざまに、事業所による制度のひどい利用の話が。
 1件目は短期入所事業所。担当者いわく「『短期入所』(※利用すると「1泊2日」分の支給となるので、他のサービスとは組み合わせられない)の利用は翌朝○時までということにして、○時以降の滞在は「移動支援」扱いにさせてもらっている。だから移動支援の時間数を確保しておいてください。どこでもやってますよね?」。地元自治体できちんと調べればわかることなのだが、短期入所はインターネット請求で、移動支援は紙媒体請求。ちゃんと日付を照合しないと気がつかない。これは地元自治体に連絡すると、担当者絶句。たぶん、注意が入る。
 2件目は新設の児童デイ事業者。「療育」を自称。何をやっているのか聞くと「集団遊びをしている」。「ただし、学齢児で宿題がある場合は、まず宿題をやってもらわないといけないので、その時間は『移動支援』にしてもらっている。何か問題でも?」。事業所内で子どもが宿題をする「移動支援」。どんなに短い時間の利用であっても「1日」単位で報酬を支給する児童デイであるのに、プラス移動支援の報酬。それを気にすることもなく週5日とか6日分の支給決定を打つ隣の自治体。
 どちらのケースも屋内(事業所内)で過ごす移動支援。国として最低限のルールを示すこともなく、自治体からの指導監査も定められていない地域生活支援事業(移動支援、日中一時支援)はもはや無法地帯である。これを「利用者がサービスを使え、事業所もうまく稼げているのだから、それでよい」と片づけるのは「利用者本位」サービスであろうか。矛盾のあるサービスを狡猾に運用していくのが、支援者の大事な仕事だと納得してよいのだろうか。全くおめでたい。