泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

そういうことじゃなくて

 Yahooのトップページから。
<個人情報>担任が占師に児童の障害相談 秋田の小学校
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080824-00000021-mai-soci

 秋田県男鹿市の小学校に勤務していた男性教諭(40)が、特別支援学級の男子児童について、保護者に無断で名前や障害の程度などを占師に告げ、治療方法を相談していたことが分かった。教諭は「子供の障害が良くなればと考え、相談した」と市教委に説明している。
 市教委学校教育課によると、教諭は07年初め、神奈川県内の占師を訪問。児童の名前や生年月日、障害の内容などの個人情報を伝え、「どうしたら良くなるか」と占いを申し込んだ。インターネットの「病気が治った」という書き込みを見て、この占師を知ったという。
 教諭が同4月、「占いで、岡山の治療師のところに行けば治る可能性があると言われた」と保護者に話したため、不審に思った保護者が学校に相談して発覚した。市教委と教諭は保護者に謝罪し、占師に連絡して個人情報を削除してもらったという。
 教諭は06年4月から同校の特別支援学級を担任しており、今春に県内の他の学校に異動した。同課は「保護者に無断で個人情報を漏らし、占師に頼ったことは不適切だった」と話している。【百武信幸】

 ネット上の反応見たら、「個人情報の漏洩はよくない」「なんとかしてやりたいという担任の気持ちはわかる」「せめて保護者に相談してから」「最近は先生も大変だ」。
 いやいやいやいや、みんなそういうことじゃなくて。
 ありえないだろ、占い師。「岡山の治療師のところに行けば治る可能性がある」を0.00001%でも信じる者が特別支援学級の担任やっているとは絶望的な気持ちになる。世間のイメージは「治らないとされた重い病気に苦しむ人が、藁をもつかむ思いで宗教やスピリチュアルなものにすがる」ような感じなのだろうか。一般の人たちへの啓蒙に時間がかかるのは仕方がないにしても、特別支援学級の担任が「障害」と「病気」を区別できていないとすれば、いったいどんな気持ちで子どもと接して仕事をしていたのか。
 「特別支援学校のセンター的機能」が役立てられなかったという意味で、この地元の特別支援学校のショックは大きいだろう(もしショックを受けていなかったら、さらに大問題だ)。そして、このニュース見たら、今後の就学先に悩む保護者の何割かは「やっぱり特別支援学校のほうがいいか・・・」と思うに違いない。やっぱり人材の交流とかを活発に進めることなしに、地域の小中学校に自分たちだけで障害理解を深めろというのは困難なのだろうか・・・。