泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

自閉症者による自閉症児の支援

 どうも学生スタッフの中のひとりが発達障害っぽいのである。
 自分はあまり接点がなかったのだが、周囲の学生がだんだん騒ぎ出し、いっしょに活動することの難しさを言い始めたので、どんなところで苦労しているのか話を聞いた。
 聞けば聞くほど、高機能自閉症なのだ。かつ、本人に自覚は全くない。
 かつて、一度だけ発達障害と思われるボランティア希望者を面接段階で断ったことがあったが、今回は既に活動をはじめてしまっている。周囲とのコミュニケーションも一見したところ、成り立っているように見える。全く子どもの支援ができないとまでは言えないことから、気づくのが少し遅れた。
 情報を集めると、活動の中に限らず、生活の中でたくさんの失敗をして、周囲との関係づくりにつまづいている。しかし、今のところ本人はそれを苦とは思っていないようだ。どちらかと言うと、周りのほうが苦にしている。
 中重度の知的障害を伴う自閉症児と関わってきた学生たちは、高機能自閉症の学生を同じ支援者として受け止めていくことができるだろうか。そして、高機能自閉症の学生は、自閉症児の支援ができるのだろうか(自閉症以外の子どももいるので、実際もうちょっと選択肢は多いけれど)。どんな結論に至るにせよ、学生たちにとって他では得がたい経験となるに違いない。