泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

地域移行と「サポート資源」

 ネット復旧した。体調は少し上向きのような気がする。
 社会福祉学会誌が届いた。
 どこの学会でも似たようなものなのかもしれないが、もうなんというか「拡散しきった」感じ。読み物としてはつらい。
 地域移行に関する論文(井上・岡田・白澤論文)でガイドヘルプについて記述があるが、調査時点の2004年10・11月では既に支援費制度が開始されており、筆者の言うような

「ガイドヘルプ」は、社会参加を促進する目的で、知的障害児・者の重度者から中軽度者に利用対象が拡大された(2000年)。しかし、地域間で、法的規定のある「ホームヘルプ(知的障害者居宅生活介護等事業)」に対し、「ガイドヘルプ」は、ホームヘルプ事業と別箇に作成される事業要綱の作成状況が異なる(星野1998)。

という理解はあたらない。そういう時代が長く続いた、という意味ならわからないでもないけど、調査時点で「地域のサポート資源としてガイドヘルプを利用しているか?」を聞いているのだからやっぱり変だ。話題がマイナー過ぎて、たぶん査読者にもわかんないんだろうなあ。
 「地域のサポート資源としてガイドヘルプを利用しているか? ホームヘルプを利用しているか?」という質問をされて、入所更正施設の職員はきっと悩んだにちがいない。いったい「何を知りたいのか?」と(NPOに送られてくる多くの社会調査もそんな質問ばかりだけれど)。すでにこれらの資源を使って地域移行させた実践経験があるかどうか、ということ? それとも職員自身が法人事業のひとつとしてのホームヘルプ等に関わった経験があるか、ということ? そもそも「地域のサポート資源として」ってどういう意味? こういう表現の多義性には現場のほうがずっと敏感だ。回答された施設職員の皆さん、おつかれさまでした。