泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[読書]けっこう読んだ

 5冊読了。

疑似科学と科学の哲学

疑似科学と科学の哲学

 終盤の「知的価値判断」と「社会的価値判断」の区別が、実践に関わる立場としてはとても有益。 どうも「スピリチュアリティ」になじめない。「ケア」概念をどこまで拡張すべきか、について、どういう状況判断を下しているのだろう。社会保障研究している人が、あれもこれも「ケア」に含んでしまいたがる気持ちがわからない。
「責任」ってなに? (講談社現代新書)

「責任」ってなに? (講談社現代新書)

 倫理的責任論。軽めなので自分程度にはちょうどいい。またシステム論を踏まえているので、読みやすい。「乖離」についてほとんど考えたことが無かったので、「役割」や「自己」との関係で整理がされてよかった。
児童虐待と動物虐待 (青弓社ライブラリー)

児童虐待と動物虐待 (青弓社ライブラリー)

 力作。その手法もさることながら、これだけの情報を集めたことに対してすごいの一言。過去に三島さんが書いた論文を読んで、どういう勉強をしてきた人なのだろうと思っていたが、内田隆三ゼミで現代思想をやっていた人とわかり、納得した。1章最後の「構築主義と重なるクレームメーカー」のくだりが、児童虐待ソーシャルワークをめぐる最近の「社会学者」対「社会福祉研究者」(この図式はかなり単純化しているけれど)の不毛な議論を収束へと向かわせてくれたらよいと思う。
ひとを“嫌う”ということ

ひとを“嫌う”ということ

 「嫌う」感情をどう処理するか、というワークショップとか、もっと福祉現場の職員向けにあったらいいと思う。民間企業とかでは研修組まれたりしているのだろうか。
 その他、購入。
障害者運動と価値形成―日英の比較から

障害者運動と価値形成―日英の比較から

 読書途中。 まだ半分くらいだけれど、著者のやりたいことがいまだにわからない。実態を明らかにしたいのか、理想的な実践を示唆したいのか。この調子だと前者を追求した結果が後者へと結びつくと信じているような気がするのだが、両者の断絶はこのM-GTA(修正版グラウンデッドセオリー)の方法論で埋められるだろうか。残りの半分に期待。
リベラリズムの存在証明

リベラリズムの存在証明

 ものすごくがんばって読んだが、4章まで読み終えたところで挫折。自分に基礎教養が無さ過ぎる。社会哲学の基礎についての勉強の仕方が知りたい。自分は社会学社会福祉研究を学部・大学院で学んだけれど、ほとんどこうした話を聞く機会がなかった。ロールズの名前さえ修士課程の1年目に他人のゼミ発表でたった一度聞いただけである。多くの人は、どこで勉強しているのだろう。自習?