泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

大規模化

 厚生労働大臣が施設見学したらしい。記者とのやりとり。
http://www.mhlw.go.jp/kaiken/daijin/2005/05/k0524.html

(記者)
 現場で思われたこととか何かありますか。
(大臣)
 昨日見せていただいたことで強く感じましたことは、1つは完全に社会の中に溶け込んで障害者の皆さんが仕事をしておられる。このことは大変すばらしいことだなと思いました。(中略)それからもう1つは、1つの社会福祉法人がいろんな角度から施設を持ったり、そういうお店までオープンしたりやっておられる。1つの法人が、あのように総合的にやってもらえるというものもすばらしいことだと思いました。これは現場の皆さんも言っておられました。例えばそのうちのグループホームにも行きましたけれども、相当なマンパワーをつぎ込んでやっておられるわけですから、グループホームだけでやれと言われても大変だと。大きな法人がいろんな施設も持ち、いろんなことをやっているローテーションの中でグループホームにも人をその都度必要であれば出す。そういうやり方の中で可能になっている面もありますから、いろんなことを総合的にやっていただくということもいいことだなと思いました。昨日見せていただいた中で私が感じたのは、この2点であります。

 どこを見学に行ったかしらないが、これでは現場を見ても逆効果なのではないか。大規模な社会福祉法人で、職員が複数のサービスを兼務する体制を進めるほうがよいと解釈されているということだろう。資源不足の中、規制緩和もどんどん考えていかねばならないときに、ますます事業者の参入障壁を高くしかねない。通所施設でもグループホームでもホームヘルプでも同じ職員が勤務しているのだとしたら、その環境は利用者にとって入所施設とどこが違うのだろう。単純に場の違いだけではないか。
 現場から「グループホームだけでやれと言われても大変だ」という発言があったとすれば、「グループホームだけでもやれるくらいの条件整備をしないでどうする」ということではないのだろうか。もちろんバックアップ施設の重要性は十分にわかっているけれど、施設職員がグループホームでの勤務に頻繁に入ることを現場が奨励するとも思えない。発言した者の真意を問いたい。