泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

能力なんか担保されない

社会福祉士の上級民間資格を創設- 関連団体、来年度から認定
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35870.html

 日本社会福祉士会など関連団体は、実践能力の高い社会福祉士の上級民間資格「認定社会福祉士」を創設した。社会福祉士の能力を担保し、キャリアアップを支援することなどが狙い。日本社会福祉士会など7団体でつくる「認定社会福祉士認証・認定機構」(橋本正明・運営委員長)が、来年度から認定を開始する。
 機構が認定する資格は、認定社会福祉士と、その上の「認定上級社会福祉士」の2つ。
 認定社会福祉士は、相談援助業務を手掛けるリーダー的な人材を主な対象とする資格で、高齢、障害、医療といった分野ごとに認定する。取得要件は、▽社会福祉士資格を保有する▽5年以上の実務経験がある▽ソーシャルワーカーに関する職能団体の正会員である▽機構が認める研修を受講している―など。
 一方、認定上級社会福祉士は、職場だけでなく、地域や関係機関とも協働している人を対象としたさらに上級の資格。取得要件として、▽認定社会福祉士資格を保有する▽認定社会福祉士資格取得後5年以上の実務経験がある▽基準を満たした論文発表や学会発表の経験がある▽機構が認める研修を受講している―などを満たした上で、試験に合格する必要がある。質を担保するため、両資格は5年ごとの更新制を採用する。
 橋本運営委員長はキャリアブレインの取材に対し、認定社会福祉士制度の意義について、「専門性が明確になり、仕事に対するモチベーションの向上や、キャリアアップ、独立などにつながるのではないか」と述べた。

 で、その認定社会福祉士さんとか、上級認定社会福祉士さんは、既存の社会福祉士をはじめ多くの現場でソーシャルワーク的な業務に携わっている人々が解決できないような問題を、鮮やかに解決してくださるのですかね。
 運営委員長さんは、専門性が明確になり、モチベーションが上がり、キャリアアップ、独立っておっしゃっていますけど、支援を受ける人々からすれば「それがどうした」だと思いますけども。支援者のために資格はあるのだ、っていうことで、いいのですね。
 大した力量をもたなくとも事業所にとって報酬の加算にはつながるといういびつな資格となっている社会福祉士そのものの意義を、問い直せばよいのに。資格の上にさらなる資格を重ねて、名刺や履歴書に書ける肩書きを増やして、何がうれしいのか。上級資格を作らねばならないということ自体が、もとの資格の行き詰まりを象徴している。こうして本質的な問題を解かずに、さらにいびつな構造を生んでいくところは、現場にいるダメな支援者の仕事ぶりにもそっくりだ。いろいろと象徴的だなあ。