泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

泊まってくれたほうが安上がりなんだそうな

 朝、天候を見て、支援の内容決定。保護者に連絡して、大急ぎで写真カードなど作って、行動援護へ。今日が初回利用。無難に終える。たぶん伝えたいことはたくさんあるのだろうけれど、まだまだ伝えられない。年齢的にも発達段階的にも無理はない。障害としては確かに重いけれど、自閉症でもないし、いわゆる行動障害的なものはほとんど見られないし、どうして行動援護に該当してしまったのかは全く不明。たぶん他事業所に促されて、行政窓口で「行動援護」と口走ってしまったからと思われる。地方自治体の財政負担的には、ガイドヘルプよりも行動援護のほうがむしろ「お得」だ。
 最近は、行政が日中一時支援(市町村事業)の支給決定をたくさん打ちたくないために、並行して短期入所(国事業)の利用を促すという異常事態まで生じている(要するに、放課後の一時預かり的支援を使われると自治体の懐が痛むので、国の負担額が多い宿泊するタイプの支援を使ってくれ、ということ)。母親が毎日働くと、障害児はちょくちょく泊まりがけで預けられなければならないらしい。親も子もそんなこと全く望んでいないのに。まっとうな相談支援事業所が間に入っているからまだ「待った」をかけられているが、保護者と行政と短期入所事業所の間だけの検討になっていたら、どうなっているかはわからない。国はこうした事態を想定しているのか? いないだろうなあ。
 昼から子育て広場へ。朝からもう5時間過ごしているのに、帰宅を母から促されてイヤだと大泣きを続ける彼。嫌なことを嫌と言える力って素晴らしい。
 事務所に戻ると、支援学校の地域資源担当の教員が来ている。支援学校生の放課後関連について情報共有。この先生は本当によくがんばっており、福祉制度や地域資源の理解度も高い。話していて認識のずれをほとんど感じない。やっぱりこういう仕事は若いほうが適任なのだろうか。目まぐるしく変化する状況を「覚える」力が求められる役職だと思う。
 そこでも話題になったが、ほぼ毎日うちで支援している子について、月2回程度で使っている他事業者の社長が「3年後にはlessorのところは使えなくなる可能性があるから、今すぐ関係者でケース会議を開け。今なら入所施設にも空きがある」というあらゆる点でツッコミどころ満載の提案をあちこちに。関係者全員が失笑だが、保護者は失笑で済まない可能性があるからおそろしい。ケース会議を提案する権限は誰にでもあるが、あまりに的外れなときにそれをストップするための仕組みは十分にない。そして、しばしば無駄な時間を過ごすことになる。
 夕方から、ガイドヘルプ。なじみのボーリング場が一部改装され、隣のレーンの座席との間に仕切りが作れるように。入った瞬間は「おお、これは集中しやすくていいんじゃないか」と思ったのだが、じゃっかん視覚的な刺激がやわらぐ程度。音は上から筒抜けだし、投げるところから先は仕切られていないわけだし、そこから他レーンのほうに動かれたら、むしろ姿を見失いやすい。なんだか中途半端。
 明日は朝から日中一時支援。朝が少し早い。Yahooのトップで被災地の知的障害者についての記事が取り上げられたり、虐待防止法が成立したり、書きたいことはあるが、眠い。風呂入って寝る。