泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

ぺくす

 PECSの研修を受けてきた。といってもピラミッドコンサルタントの2daysとかではなく、2時間ぐらいの入門編。ひっそりと行われ、ものすごい少人数。でも、講師はこの業界では著名な方(いや、意外と障害者福祉の関係者は知らなかったりするかもしれない)。
 これまで活字や写真でしか見ていなかった実践を「動画」で見ることができて、けっこうな衝撃だった。でも、たぶんこの動画を10年ぐらい前に見ていたら、うまく受け止められなかっただろう。家庭の中などで「実用」されるに至ったところの様子はすごく自然なのだけれど、フェイズ1で好子を用いながら何度も何度もカードの交換を練習するところは、そのものすごい手際の良さもあって、なんだか妙な違和感が生じてしまうのである。たぶん「日常」の様子としてはありえないからであろう。「福祉」は、きっとこういうのに慣れていない。
 好きなものを得ようと伸ばした手をカードへと導かれることを繰り返すうちに、見事にカード交換を習得していく子どもの姿に、保護者はどんなことを思うのだろう。「話し言葉がなくなったりはしない(むしろ逆)」ことをすごく強調するのは、きっと保護者からそのような不安が聞かれるからであろうけれど、そういうこと以前の違和感ってないのだろうか。PECSに限らず、応用行動分析的な手続きの厳密さに対する抵抗感というか、「ここまでやらなきゃいけないの?」感というか。
 誤解のないように書いておくと、自分はかなり魅力を感じつつあり、ガイドヘルプなどでも少し導入開始。でも、コミュニケーションブックがでかいんだよなあ・・・。