泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

人といっしょに楽しめる遊びを探す

知的・発達障害のあるお子さんに「カタン」で療育したケース
http://togetter.com/li/815740
自閉症のあるお子さんの集団参加を促すアナログゲーム
http://togetter.com/li/817247
 うちの法人は知的障害の重い子どもたちの支援からはじまり、近年は知的障害をほとんど伴わない発達障害児の就学前療育をしてきた。
 知的障害の重い子どもたちはルール性のある遊びを楽しむのがそもそも難しい。発達障害の幼児さんたちは、療育の中だと体をめいっぱい動かして遊ぶか、子どもに合わせた認知課題などに取り組む。集団の中での「社会性」とかソーシャルスキルとかを望むには少し早い。
 学齢期に入ってからも発達障害児の支援をする場面があるが(学齢児向けの「療育」はできていない)、そのときは他の子どもたちと交わる機会が少ない。「友だち」が大好きで、公園で鬼ごっこなどシンプルな遊びを楽しめる子もいるが、それも学年が上がるにつれて、限界が感じられるようになる。周囲の子どもたちにとっては遊びとして退屈だからだ。そんな子どもたちが家の中で何をして遊ぶのかと言えば、DSとかWiiである。もっとも、これは障害うんぬんとは関係なく、最近は公園に行けば、持参したDSをやっている子どもがたくさんいる。
 そんな子どもたちに何らかの活動を用意しようとすると、工作や調理など何かを「作る」とか、カラオケとかボーリングとか商業施設とかに出かける展開になりやすい。概してこれらは個人単位で完結しやすく、子どもどうしが相互作用するものにならない。もちろんそれでかまわないのだけれど(だいたい遊びとは多くがそういうものだ)、支援者としては「楽しめるものの幅が広がらないなあ…」という印象がつきまとう。そんなわけで、上のtogetterにまとめられたアナログゲームの記事を興味深く読んだ。
 個人的にはソーシャルスキルの獲得というよりも、人といっしょに遊びたいが楽しく遊べるものが見つからない子どもにとって、何か新しい選択肢を見つけられたらいいな、と思う。今日、少し探しに行ってみたところ、自分の身近にいる子どもたちにはまだ難しそうなものが多かった。最近は、まったく障害のない子どもも事業所に出入りしているので、その子たちならばできるかもしれないけれど。もう少し情報収集が必要か。海外産のものが多くて、パッケージだけだととっつきにくさもある。
 ちなみにヨドバシのアナログゲーム売り場には、アナログゲームを通じて友情を深める女子高生たちの漫画が置いてあって、どんなものもテーマにしてしまう漫画業界はすごいと思った。「カタン」も2巻に出てくる。