泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

コンサルのクズっぷりがすごい

 障害福祉計画の策定を委託されているコンサルが、当事者と事業者から15名ほどを呼び出す。呼び出すと言っても、関係者に「集めてくれ」というだけである。そして、計画策定に向けて、ヒアリングをしたいのだと言う。設定された時間は1時間半。出席者は学齢児の保護者、知的障害の作業所通所者、精神障害の作業所通所者、身体障害者、自分も含む関係機関の職員など。
 もうこのような設定を聞いた時点で「目的に対して適切な方法を選べない、救いがたくバカなコンサル」としか思えず、イライラしながらその会合に向かったのだが、行ってみるとまず「ヒアリングシート」なるものを配られる。6ページぐらいあり、既存の障害計画の項目が列挙されていて、下に巨大な空欄。自由記述で意見を書けと言う(事業者職員を含む15名の回答者に向けて「障害者自立支援法を知っていますか?」などのバカ質問もあった)。与えられた時間はわずか15分。
 頭に来たので、一行も記入せずに他法人の職員とずっと仕事の話をする。知的障害当事者からは漢字が山ほどのヒアリングシートに「わからん」と声が上がる。指摘されたコンサルは顔色ひとつ変えずに「すいません」とひとこと謝るのみ。みんなほとんど書けないまま、タイムアップ。
 ヒアリングシートを書かせた上で、ようやくコンサルから本日の趣旨説明。「個別にヒアリングをしてもいいのだけれど、交流もできたほうがいいと思った」。そして、全員に自己紹介を求める。自己紹介が終わったとき、残り時間は50分。
 ここでコンサルから「基本計画の項目に従って、順番に意見を聞かせてください」。一番はじめは、幼児期の保育についての項目。学齢児の親の会しか呼ばれておらず、聞くべき相手を間違えているが、過去を振り返りつつ意見が出される。少し事実誤認もあるので、自分が制度の解説や論点整理をしつつ、さらに意見を引き出していく。数十個ある項目の1番目だけで、あっさり15分経過。
 コンサルが口をはさむ。「ざっくばらんに意見を聞かせていただくのはいいのですが、時間もありますので…」。
 ここで怒りが限界に達した自分が、ブチ切れ。
「こんな短時間でできるわけがないじゃないか」
「自己紹介が終わった時点であと50分ってことは、ひとりあたり3分ぐらいしかしゃべる時間がないじゃないか」
「障害者計画の進捗状況チェックを受託した地元のNPO法人は個別に団体ヒアリングをしたのに、計画策定そのものを受けている組織がこんな適当なやりかたでいいのか」
「これはこれとして、今後きちんと個別ヒアリングをする気はあるのか」
 出席者の中で唯一ぴっちりスーツ姿のコンサルは「このような形で集まることは今後予定しておらず、意見はヒアリングシートに書いて提出していただければ」。みんなで失笑。
 時間もコストもかける気は全くなく、ニーズも全く異なる人々を単純に集めて、ただ「当事者の声を聞いた」というアリバイづくり。その後、30分ほどはもう基本計画などほとんど関係なく、当事者2〜3人が最近困ったことを少ししゃべり、お互いに「わあそれは大変ですね」って共感的に話を聞きあって、終了。
 頭に来ているので、言葉を選ばずに書く。この種の行政計画を請け負うコンサルというのは、本当に役立たずのクズである。クズの中のクズだ。委託料額はわからないが、コンサルなどに頼まずとも、地元の福祉事業者に頼んだほうが、よほどまともな仕事をする。コンサルのコンサルたるゆえんはいったい何だろうか。厚顔無恥であるということか。
 行政が仕事をまかせる相手を間違えたのだ、と思いたかったが、伝え聞いた話によると、行政はさほど問題を感じていないらしく、さらに絶望は深まるのだった。これでも入札とプレゼンの末に選ばれたコンサルらしいよ。ああ、辞めさせたい。