泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

誰のことについて知りたい調査なのか

 つい先日、地元自治体での会議にて、住民に子育て支援についての意識調査(満足度など含む)を行なう予定が示されたのである。他の委員からは素朴に「全員に回答してもらうのか」みたいな質問があり、事務局は「コストの問題もあるし、無作為抽出」と回答。しかし、質問紙には障害児支援についての項目もあったため、「障害児については、そのやり方だとほとんど回答数が得られない。コストがかからないように協力するから、全数調査に近いものを目指してほしい」と自分。
 自分を委員に入れておきながら雑だよなあ、と思っていたが、今ごろ気づいた少し前の記事。もともとは医療介護CBニュースの記事だけれど、そちらで読むには登録が必要なので、@niftyニュースより。
障害者実態の試行調査、有効回収率は約2%−総合福祉部会で委員の認識に違い
http://news.nifty.com/cs/domestic/governmentdetail/cb-20110426-33885/1.htm

 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は4月26日、第13回会合を開いた。会合では、年度内に実施する予定の「全国在宅障害児・者等実態調査」(仮称)に先立って行われた試行調査について、有効回収率が約2%だったことなどが報告され、これに対する委員の認識に違いが見られた。
 実態調査は、障害者施策をより当事者の状況に即したものにするためのもので、調査の信頼度を高めるために、昨年12月から今年1月にかけて試行調査が行われた。
 試行調査では、22都道府県の30地区に住む全5358世帯に対し、調査票を直接配布。その結果、有効回収率は1.98%(有効回収数は106票)だった。
 これについて報告した実態調査に関するワーキンググループの平野方紹委員(日本社会事業大准教授)は、在宅障害者数が推計で全国人口の5.4%だと指摘した上で、「通常、ダイレクトメール方式(直接配布)の調査は3分の1くらいの回収率。(在宅障害者の割合を母数にすると)一般的な調査とほぼ同じような傾向になった」と述べた。

 自分の読み間違えだろうかと何度も繰り返し確認したが、これって「有効回収率は1.98%だけれど、そもそもこの方法での一般的な回収率は3分の1ぐらい。もともと在宅障害者数というのは5.4%なのだから、1.98%はちょうどその3分の1ぐらい」ってこと? いったい誰に配布したの? 本番もその方法でやるの?
 試行調査とはいえ、国レベルでこの無策っぷりは何だろうか。「まあこんなもんだろう」と納得しているのだとしたら、そのワーキンググループの専門性は大丈夫か。田舎の役所と同じレベルである。危機感がないのか、調査をする意義をそもそも感じられていないのか。
 本当に政策に活かしてくれるのならば、日本全国すべての関係者が一丸となって、限りなく100%に近い配布と回収を実現してみせるよ。ただ、茶番劇ならば、そんなものに付き合うヒマはみんな無い。