放課後に求められるもの

- 作者: 川上敬二郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/01
- メディア: 単行本
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紹介されるアメリカ等の放課後支援の事例は、貧困や格差の問題獲得への対応としてあるわけで、この国の中で小学生に多様な体験プログラムを組んでも、その成果の上がり方を短期的に実証するのは簡単じゃないだろう。「消極的だったうちの子が変わった」とか「毎日楽しそうになった」とかいう変化では、この国の抱えた大きな課題解決とはまだ少しずれている。中長期的に見て、何をもって成果が上がったと評価するのがよいのか。
動機づけがなくても生きられる人はたくさんいる。やりたいことが見つからなくても、そこそこ幸せに生きられる人もいる。大人に「どんな子ども時代を過ごしたかったか」を聞いても「放課後に多様な経験を積みたかった」なんて話はきっと出てこない。
公教育が詰め込みとゆとりの間を迷走して目標を見失う中で、教育NPOが担うのは、公教育を導くことだろうか、補完することだろうか、代償することだろうか。あるいは互いに反目してしまうのだろうか。