自信と自尊心
これまでになんとなく「自信」と「自尊心」の概念をごちゃごちゃにして使っていたが、この区別が大事なことに今日気づいた。
彼は自信がない。でも、自尊心はもっている。だから、やっていけている。
ちっとも厳密でないが、自信以上に自尊心のほうが社会的であるように思う。自尊心は自分の能力とは別のものを通じても得られる。人は自らの置かれた環境を自分の一部であるかのごとく、周囲にアピールできたりもする。
しかし、社会的であるということは、ときに脆い。だから、長い目で見たときに不安を感じる。年齢があがったときに、彼の今のやり方で自尊心を保ちつづけられるだろうか、と。
一方で、自信がなければ生きられない社会は苦しい。だから、自分のもつ能力とは無関係に自尊心を抱くことができるのは、とても望ましい。問題は、自尊心を得るための経路にあるのだろう。環境との間で自尊心を育むことと、環境そのものを自尊心のタネにすることは違う。
そこで他者からの「承認」が大事であるのだとして、彼が「承認」を感じられるのは、いったい何を通じてなのか。ここに悩むのだ。