泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

ひさしぶりに社会学

子ども語りの社会学

子ども語りの社会学

 全体の結論にはさほど違和感ないものの、分析対象となる資料の選び方や分析方法に、なんだかもやもや。
 4章で生徒会誌に書かれた中学生の「語り」を分析。生徒会誌に書かれた文章が大人の目を意識されているかどうかは問題ではない、とする。そのように考える態度が既に「子ども語り」に共振してしまっており、大事なのは「子ども」とされた存在が「子ども」へのまなざしの中で書いたものを見ることである、と主張されるのだが、だとすれば生徒会誌以外のメディアに掲載されたものでも(もし体系的に収集されさえすれば)同じ分析結果になるはずっていうことなんだろうか。どうもそんなふうには思えないのだけれど。