泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

雑感

 今日で子どもたちの冬休みは終わり。休み明けの短縮期間は珍しく短いようで、少しほっとする。
 いよいよ次年度に向けての動きが活発化することになるだろう。今のままの組織では何もかもがどうにもならない。問題山積。たぶん支援している子どもたちの家族などから見れば、いたって順調に見えているのだろうなあ。サービスの提供量だけみれば、たしかに増えている。需給調整もどうにかこなせている。予算規模も毎年ちょっとずつは大きくなっている。赤字は7年間一度も出ていない。しかし、内側から見れば暗い見通しばかり。
 向こう2年ぐらいは障害者福祉制度の変化も予測しながら、新しいことをはじめていきつつ、雇用の安定を図らないといけない。課題を法人全体として共有して取組んでいけるとよいのだけれど。専従たった3人なのに、これが簡単でないのだ。
 ひさしぶりに新聞記事にリンク。ふたつ。
自立支援法訴訟終結へ、障害者原告と国が文書
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100107-00001515-yom-soci

障害者自立支援法憲法違反だ」として、障害者ら71人が全国14地裁に起こした集団訴訟について、長妻厚生労働相と原告側が7日、同省内で同法廃止などを盛り込んだ基本合意文書に調印した。
 2008年10月に始まった集団訴訟は、判決が一度も示されることなく、終結することになった。
 調印後、長妻厚労相は「障害者自立支援法が障害者の皆様の尊厳を深く傷つけてきた。厚生労働大臣として心から反省の意を表明する」と述べた。

 この日の基本合意文書は〈1〉国が同法廃止を確約し、遅くとも13年8月までに新たな総合的福祉制度を制定する〈2〉障害者の意見を十分に踏まえずに制度を施行した国は、障害者や家族らに混乱と悪影響を招いたことについて反省の意を表明する〈3〉新たな総合的福祉制度の制定には、障害者が参加して十分な議論を行う――などが盛り込まれた。

 今さらながら、確実に事態はそういう方向に進んでいるということ。

国立研究所長が論文盗用、使い回しも 社会福祉の権威
http://www.asahi.com/national/update/0107/TKY201001060438.html

 厚生労働省の審議会の要職を歴任した国立社会保障・人口問題研究所の京極高宣所長(67)=社会福祉学=が2003年に出版した著作集の論文で、他人の論文を大幅に引き写した部分があることが、朝日新聞の調べでわかった。もとの論文を書いた国会図書館元調査員は「私が書いたものと同じ内容。出典の明示がなく引用されており、盗用だと思う」と指摘している。
 さらに、京極氏がこの論文を、国の補助金などが支給された研究事業の報告書に使い回していたことも判明。いずれも研究倫理に反する行為とされる。京極氏は介護保険制度や障害者自立支援法の立案を手がけ、社会福祉の権威と評価されている。

 朝日が調べ出したらしいけれど、どういう経緯だったのかが気になる。外部からのタレ込み? まあ敵は多いだろうから、違和感はない。政権が変わり、社会福祉業界における「偉い人」が変わりゆくタイミングにも合致。社会福祉学会は、何か言うのかな。絶対に何も言わない(言えない)だろうな。
 ひと昔前の「偉い人」が書いた論文は出典とか引用とかけっこう目茶苦茶だったりするので、他にもありそうだけれど、さすがに「著作集」だからねえ。