泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

帰らない

 職員が帰らない。
 早く帰るようにいくら言っても帰らない。10時をまわるのはいつものこと。今日は、0時をまわってやっと帰る。
 残業手当なんてない。のに、帰らない。
 業務量は確かに少なくないが、どう考えてももっと早く終えられる。子どもについての話をはじめたら、たくさん話したくなるのはわかる。しかし、皆で共有すべき話とそうでない話というのがある。その区別がない。5分で要点をまとめられる話を30分ほどかけて丁寧にしゃべる。楽しそうではある。
 おそらく出勤しているかぎり、いつまでが仕事とかいつからがプライベートとかいう感覚はないのだろう。「その日」は朝から深夜まで「仕事の日」という感じだろうか。あるいは生活のすべてが障害児支援と一体化しているのか(だいたい休日も個人で外部研修ばかり受けに行っている)。自分も似たようなところはあるが、組織で仕事をしていくことを考えれば、それを肯定ばかりもしていられない。たぶんこんな働き方は世間では認めてもらえないからだ。労働基準法がどうのという話ではなく、いっしょに働こうという人間が出てこなくなるのが一番おそろしい。だから効率的に働いて早く帰ることを促す。しかし、帰らない。
 新たに職員を雇用して組織を大きくしていくことも考えなければならないのに(まさにそんな話を他の職員に話していたところだったのに)、こんな環境のもとで「同志」はこれからも現れるのだろうか。気が重い。