泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

営業マン現る

 子育て支援サイトの運営とか情報誌の発行とかをやっているという会社の人が訪ねてきた。子育てひろばの取材依頼と思って話していると話はそれにとどまらずに、子どもの親たちに特定企業の商品を無償配布する代わりにアンケート調査を代行してほしいとか、どうもすっきりしない提案がたくさん出てくる。
 良く言えば、企業の社会貢献とNPOをつなごうとしているのだが、企業の販促に一役買っているだけにも見える。企業しか持っていないノウハウをNPOが活用するというのでもない。そして何より、この会社がなぜこうした形態の支援を行なっているのかという動機づけがわからない。
 さほど収益性のある会社にも見えないし、企業と子育て支援団体の橋渡しを行なうことで企業からはいくらか受け取るわけなので、相応のメリットがあるということも理解できる。しかし、営業マンと話していても、どうも子どもに対する強い思い入れが感じられない。団体さんが望むことにはとにかく協力、みたいに言うのだけれど、「で、あなたは子育てと社会のあり方についてどう思っているの?」という肝心のポリシーが出てこない。民間企業が関与することで、さほど各種団体にとっての成果があがっているようにも見えない。
 で、あれこれと聞き出すうちにわかってきた。もともと某大手企業の販促代行などをやって収益をあげていたのである。しかし、いろいろと事情があって仕事が無くなった。そこで、新たなビジネスとして考えたのが、企業とNPOの橋渡しだった、ということである。こんなふうに、企業の社会貢献がはじまる経緯というのも多様なのだろう。
 動機はどうあれ、どうせ仕組みをつくるなら、NPOが何かしたいことがあるときに、それに協力できる企業を紹介できる、というところまでいかないと、はじめに特定企業ありきではなかなか広まらないだろうなあ。