泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

 うちの法人から派遣した加配に言い負かされた学童指導員が「この子には加配なんかいらないんじゃないか」と行政担当課に電話しての報復。あれやこれやと自分の正しさを主張しようとしているが、裏では指導員もバイトも全員がこちらの加配を支持。自慢だけれど、この加配はとても優秀なのだ。そのへんの指導員で議論して勝てるはずがない。行政も次元の低さにあきれている。
 しかし、そのおばちゃんは自治体内の学童保育所すべての中で経験年数が最も長く、みんな頭が上がらない。機嫌が悪くなると、周囲に有形無形の圧力をかけ、ときには子どもの前でも罵倒して、他の指導員やバイトを泣かしたりするのだ。行政担当課も泣いている。指導員やバイトが次々辞めるので、誰も入れられないと。しかし、本人は自分がすべてにおいて正しいと信じて疑わない。障害児との関わりについても、たったひとりの自閉症児を学童で4年ほど受け入れた経験があるだけで、繰り返し「○○くんのとき、自分はこうしてうまくいった」ということを、周囲に言い続けている(もちろん方法は我流で、全く自閉症について勉強していないから、無茶苦茶である)。
 学童はとても小さな職場である。日々の仕事をいっしょにする人間にしてみれば、関係をまずくしたら、子どもと過ごす間ににらむような目線を浴びせられ、欠点のあらさがしをされ、嫌味を言われながら、おそろしい重圧の中で仕事をしなければならなくなる。だから誰もケンカしない。すべてあなたのおっしゃるとおりと祭り上げて働き続ける。主義主張がころころ変わっても、決して文句を言ってはならない。
 その暗黙の規律にうちの加配は背いた。だから、加配全員まるごと排除されようとしている。こんなタチの悪い指導員なのに、誰も辞めさせることができない。そして、本人は元同級生の議員に働きかけて、定年延長を狙っているらしい。田舎の議員は、簡単に友人のためになれる仕事が見つかって大喜びだ。経験豊かな指導員がまだ元気なのに辞めさせるのか、と言えば、誰も文句は言えない。こうしてまだまだ働き続ける。
 通算すると過去3年ほどいっしょに仕事をしてきたが、いつまでたってもこの人のレベルは変わらない。障害についての研修受けさせても、変わらない。もうそろそろ我慢も限界だ。成長する気も反省する気もまるでない支援者と協働などどうしてできるものか。