泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

 「もうやりたくない」という法人を、自治体職員といっしょに「まあ、そんなこと言わないでもうちょっとがんばりましょうよ」となだめるという奇妙な会議が終了。どうしても無理となれば、自分のところでやらざるをえないのだけれど、そんなこと年度末に突然言われたってたまらない。
 子どもへのこれまでの対応や関係機関との連携について聞けば聞くほど、自治体職員も自分も「やめたいと言う前に、もうちょっとやるべきことがあったんじゃないか」と思えてきて、うんと遠慮がちにあれこれ対応策を提案。どう考えても、この事業の運営について自治体職員やうちの法人のほうが多くの労力を割いている(もちろんひとつの事業だけとりあげて比較するのはフェアじゃないだろうが、担当課や子どもの立場からすれば、他の事業部門の話をされて無理だと言われても困る)。さらに相手方の法人からは2名が出席しているが、やめるしかないと思っているのは1人で、もう1人はこちらの考えに同意しているという混乱ぶり。会議終了後、担当課長は「この単価なら派遣会社にだって頼めるところを、わざわざ委託していることの意味がわかっているのか」と愚痴っていたが、ものすごい説得力。これまで派遣会社を比較に出そうと思ったことはなかった。
 話は少しだけ変わって、養護学校生の受け入れが最初にはじまった学童のベテラン指導員が異動確定。4年間、行動障害もきつい自閉症児を受け入れていた。この指導員の方針と折り合わずに、初年度、2年目と激しく対立していた保護者が「なぜ異動なのか」と自治体職員に苦情の電話をしてきたと聞き、驚く。以前の対立を知っているだけに、自治体職員も驚いていた。考え方が一致しない中でも、長く続けていくことでじわじわと築き上げられる信頼関係というのもあるのだ(ずっといた人がいなくなることが自閉症児に及ぼす影響を危惧しているだけかもしれないが)。
 考え方がいささか偏向していて、周囲が精神的な重圧を感じるこの指導員。いっしょに仕事をすると辞めてしまう人も多い。そして、4月からは自分がいっしょに仕事をすることになっている。