泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

決着後

 夜、事業所連絡会。
 情報がずいぶん集まってきた。先日決まったこのあたりの地域生活支援事業内容については、やはりあちこちの地域に情報が届けられている。それに加えて某政令指定都市も昨日事業内容を公表したため、多くの事業所がこれらを参考に右へならえで報酬単価を決めようとしている様子。これまで事業所に対して独自の見通しを示してきていたところも、他地域の動向ははっきりするのを見て態度を変えはじめたりしているようだ。日中一時支援事業を併設ではなく単独で実施しているところは加算をつけるとか、デイサービスをもとに単価を設定するとか、行動援護と移動支援を併給可能にするとか、知恵を絞っていた自治体もあるようなので、それがこれから1週間ほどでどうなるか。9月20日になって、まだこんな話。地方自治体の力の無さというか、横並び意識が本当によくわかった。
 某政令指定都市も移動支援の資格要件については何も出さなかった。このまま無資格でOKとなってしまうのではないかという話もあり、支援の質が低い事業所の参入を危惧する人もいた。そうはいっても自治体の指定が必要になるわけだし、おそらく実績の無い事業所を指定することには自治体も慎重になるだろう。だから自分はあまり心配していないが、研修については改めて自治体と話をするつもり。素人でもできる支援と思われてしまうことは、あまり良いことでない。一方で、特別な人間にしかできない支援だと強調することにも違和感はある。あいまいな表現にはなるが、バランスが重要だろうというのが正直な気持ち。
 日中一時支援事業者の偉い人は、この1ヶ月ほどの間に各自治体をまわっているとずいぶん「数字を出せ」と言われたようで、ようやくデータの大切さについて話をしていた。どうやらこれから来年度に向けて連絡会でデータを揃え、支援の必要度に関する指標などとあわせて各地に重度加算を提案していくことになりそう。半年前からこの動きがあればよかったのだが、長い目で見れば、みんな良い勉強をしたということかもしれない。一方、移動支援については、まだはっきりしない自治体が多いものの、この地域に関しては担当者の裁量に委ねられすぎる部分を修正しようとする程度で済みそう。
 ただ、日中一時支援事業については、これから事業所データをそろえたとしても、それを加算が必要とする論拠としてまとめるのはなかなか難しい。もともと日帰りの短期入所事業は運営の安定している施設や比較的収益性の高い居宅介護事業所とセットになることで成り立ってきた。そのことは行政にもよく知られている。それだけに日中一時支援事業を単独で検討して「報酬を上げてくれ」と言っても、あまりリアリティのある話にはならない。「今やれているならば、たとえ赤字であっても同じ報酬でこれからもやれるはず」と言われて終わり。自立支援法のもとでの他事業の動向も含めて説明できて、はじめて自治体に真剣に話を聞いてもらえる。
 ちなみに自己負担についてはなぜだか既に名言している自治体が多いのだが、かなりばらばら。10%から完全無料まで。1割負担があちこちで問題とされているので配慮しようとするのはわかるが、数十時間使っても完全無料とは。「あの市は選挙が近いからじゃないか」なんて邪推までされていた。いや、邪推とは言えないのかも。
 トラックバックもついていないのに、数日前から、ここを訪れる人が増えている。地域生活支援事業について情報を求める関係者が多いからだろうか。