泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[近況]少し広域の動き

 先ほど、このあたりの事業所ほとんどが集まって、地域生活支援事業、特に日中一時支援事業について、協議。狭い地域で仕事をしているので、名前を聞いたことがあるのに直接話したことはない事業所のトップが勢揃い。事業所すべての対象エリアを合わせると、ちょうど養護学校の学校区ぐらいになる。
 うち以外の事業所はすべて日帰り短期入所を行っており、自己紹介がてら始まった現況報告はどこも悲惨。よその話なので具体的に書くのは差し控えるが、やはりすべての事業所が通所関連の事業や宿泊を伴う短期入所で赤字をカバーしている点で同じ。現実には利用者にマンツーマンでスタッフを配置しなければいけないのに、報酬上はひとりで4人以上に対応しなければいけないような制度設計なのだから当然である。スタッフに払う給与が最低賃金を超えられないので、有償ボランティア扱いにしているところの話も聞いた。
 より都道府県の動きに詳しい人の間では、某自治体のように国へ要望書を出してもらうことも検討されていたようだが、人事異動で人が変わったなど諸々の影響で、それは難しくなったようだ。これから市町村への働きかけは各事業所でしていくとして、都道府県にはきちんと市町村に対して事業モデルを提示してもらえるようにしなければいけない、ということで、今月中に各事業所で報酬単価等のイメージや利用事例などを持ち寄ることに。移動支援についても、うちが数字を出すことになった。短期入所については、現行よりもかなり高い数字を出していくつもりらしいので、移動支援は自分が考えていた金額よりも高く提案することになるかもしれない。話題になっていたのは、数字を出す根拠をどう作っていくのか、ということ。収益が今より落ちる、というだけでは運動として弱い。やはりコーディネーターと事務職員の人件費はどこも確保したいという話になり、そのような運営モデルで単価案を出していくことになりそうだ。
 その他にもかなり思い切った運動の方法論まで提起されていたが、とてもじゃないが、ここでは書けない。自分はもう何も楽観視できなくなっているので、実現しそうにない数字を出すことのモチベーションも下がりつつあるのだが、まあやれる限りやってみよう。悩んでいるのはうちだけではない、ということがよくわかった点で、有意義ではあった。
 現場はと言えば、事業所は夏休みモード。学生ヘルパーは試験中でまだ動きにくいが、学童保育所では長時間ケアがはじまっている。しかし、某学童で指導員が障害児への風当たりを強めており、うちからの加配スタッフが悔しさ空しさを募らせ、子どもの保護者が激怒している。連絡が入り、今日は各方面から話を聞いていたが、明日もこの調整に追われそう。いっそ学童ごとこちらで運営できたら、どれほど楽かと思う。いや、実際にやるつもりは今のところないけれど。子どもたちへの叱責や怒号ばかりが飛び交い、本音と建前を使い分けて、特定の子どもを排除しようとするダメ学童にはしないで済む自信がある。あの指導員たちが自分と同じ福祉職とは思いたくないが、制度の上では福祉職。福祉の内なる差別。
 ちなみに明日からサマースクールも開校。学生スタッフ49名中、男子たったの4名。さらに4名とも大学3回生。なんとかならないものかと思っていたら、1回生男子で活動希望者が出現。それにしても女子学生に誘われる以外に、男子が自発的に集まる方法はないものだろうか…。