泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[障害者支援]地方の零細の声を届ける

 某社会福祉法人の偉い人が「自立支援法に対して言いたいことがあれば、メモ書きでもいいのでまとめてほしい。都道府県に持っていく」と言ってくれたので、まとめてみた。完全に事業所目線であるので、利用者が読んだら違和感が強いだろうが、地方の超零細の実態を行政に知ってもらうには良い機会だ。以下、地名を隠して、全文ペースト。昨日「金曜までに」と言われて大急ぎで書いたので、文章の読みにくいところや荒っぽいところがあるのは何とぞご容赦ください。

自立支援法の影響について
NPO法人 ●●
理事長 ●●●●

 障害者自立支援法の施行により、地方(田舎)で知的障害児者の居宅介護を行う事業所を運営していくことは非常に困難になった。支援費制度において、一部では「儲かっている」事業者の存在まで指摘されていたのに、なぜ運営が困難であるのか?
 それは居宅介護事業所のマネジメント特性と、新しい制度体系が噛み合っていないことによると考えられる。しかし、安易な一般化は禁物である。ここでは運営の困難が予測される事業所の条件として3つの前提を置くことにする。
(1)支援費制度のもとでサービス提供を行ってきたということ
(2)都市部ではなく、地方でサービス提供を行っているということ
(3)居宅介護を中心とした事業所であるということ
 これらの条件を満たした事業所の運営が特に困難である。当法人の運営する事業所の実例も踏まえ、以下で説明していきたい。
 現存する事業所は、これまで支援費制度によって運営を維持してきた。支援費制度のおかげで、立ち上がった新規事業所も数多くある。選択できるだけのサービスがあってこそ、それぞれの事業所は個性を打ち出し、自らの得意とする支援の力量を高めていくことができる。
 現存する事業所を閉鎖させることなく、地域に生まれた社会資源として存続させようと考えるのであれば、新旧制度の相違点をまず把握する必要がある。すなわち「支援費制度によって何が可能になり、自立支援法によって何が不可能になったのか」。まずは、これを検証しよう。

1 支援費制度下での運営
 支援費制度の開始によって、居宅介護のニーズが爆発的に顕在化したことは周知のとおりである。身体障害分野では自立生活に向けて長時間のホームへルプ利用を獲得することが可能となり、知的障害分野では放課後・週末のガイドヘルプに需要が集中した。
 居宅介護は報酬単価も高いため、事業所としては運営基盤として期待できた。倫理性の高い事業所は「必要だが金にならない」事業を行っているのが常であるから、他事業の赤字を埋めるためにも居宅介護の利用増は大きかった。
 特に知的障害分野を中心にサービス提供を実施している事業所では、もはやガイドヘルプ無しの運営は考えられない。知的障害分野で「身体介護」によるサービス利用はまれである。「行動援護」の利用も全く進んでおらず、指定要件の厳しさから事業所そのものが存在しない。そして、利用ニーズが高い短期入所は、単独では絶対に運営不可能な報酬単価である。結局のところ知的分野では、ガイドヘルプの収益を中心に経営戦略を立てざるをえない。
 当法人でもガイドヘルプを中心とした事業所を運営してきた。利用者のおよそ半数が児童、残りの半数が知的障害者である。
 一方で、長期休暇や週末に集団での活動プログラムを行っている。●●●の各地で行われている「サマースクール」などの運営である。もともと親の会が運営していた事業だが、学生ボランティアのコーディネーションや活動プログラムの立案・実施、経理、各種書類の作成など雑多な業務を担う負担感が親たちの間で大きくなり、親の会による事業継続が困難になってきたため、当法人が実質的な運営を担っている。この事業にかかる業務量は、法人職員1名の業務全体のおよそ4割程度を占めているが、全くのボランティアでしかないため、収益性の高いガイドヘルプで赤字を埋めなければいけなかった。支援費事業者のうち、支援費開始以前から何らかの事業を行っていたところの多くが、同様の経営構造を持っていると考えられる。

 以上が支援費制度のもとでの居宅支援事業所のイメージであった。このように特定の事業に運営を依存せざるをえなかった居宅支援事業所が、自立支援法の影響をどのように受けるか。大きく2点が予測できる。
予測(1) 移動介護が「移動支援」となることによる大幅な収入減
予測(2) 日帰り短期入所の廃止によるボランタリーな事業の肥大化
以下で、順を追って見ていきたい。

2 移動介護の実状と自立支援法
 まずは、予測(1)についてである。移動介護については、支援費初年度から報酬単価が問題視され、年度末ごとに単価の引き下げが行われてきた。身体介護を伴う3時間の支援で言えば、初年度の12410円から今年度の8260円まで落ちている(33%減)。長時間になるほど、下げ幅はさらに大きくなる(4時間ならば42%減、5時間ならば46%減)。
 制度開始当初の単価が非常に高いものであったことは同意できる。この4月からの外出介護(身体介護伴う)の報酬単価は身体介護と横並びであるから、極端に安いとも考えていない。
 しかし、自立支援法によって地域生活支援事業とされた「移動支援」における単価は、これよりもさらに下がることが予想される。地域生活支援事業が人口10万人あたり6500万円ほどの予算でしかないこと、国会審議の過程でグループでの外出が可能になると強調されていたこと、従業者の資格要件が市町村の判断に委ねられること、行動援護が高い報酬単価を確保していることなどを考えあわせると、移動支援は家事援助以下の単価となるのが自然な流れであろう。開始時加算もなく、1時間1000円から1200円程度と仮定すれば、現行の外出介護からの落差は大変に厳しいものとなる。
 当法人の事業所で試算してみよう。当法人の2006年3月の支援費収入は児童452250円、知的障害者212660円であった。(中略)相対的に児童のほうが重度であり、利用も多い。母子家庭で長期休暇中の利用時間が支給決定を大幅にオーバーする利用児童を60時間ほど制度外でケアする対応もあった。こうした努力が可能なのも、移動介護の単価が比較的高いからである。この金額は4月からの外出介護でも大きく変わらない。
 10月になり、移動支援がもし1時間1000円の単価になると、移動支援収入は児童182500円、知的障害者82000円となり、現行より60%減となる。1200円とすれば、児童219000円、知的障害者98400円となり、現行より53%減。いずれにしても、この額で専従職員を複数名置いた事業所の運営などできるはずがない。
 こうした被害を食い止めるために行動援護類型の創設があったと考えられるが、予測としては今後も行動援護類型の事業所は大きく増加しないであろうし、地方で居宅支援を中心に行っている小規模な事業所においてはその傾向が顕著であろう。
 問題となるのは行動援護の従業者要件と利用者負担である。移動介護の利用者が行動援護に移行すると、従業者の確保が極端に難しくなり、利用調整がつけられなくなる。移動介護は同一の時間帯に利用が集中するサービスであるから、仮に数名程度が従業者要件を満たせたとしても、その数名が行える行動援護サービスは全体の2割程度にしかならないだろう(移動支援と行動援護の併給が不可能とされていることもネックとなる)。
 行動援護の従業者要件は一部緩和されたが、30%減算もあるのに加え、これはあくまで経過措置とされている。介護保険統合を目論むとすれば、数年後には経過措置は終わり、従業者要件として経験年数2年以上が絶対となるだろう。この条件を事業所としてクリアし続けるのに、とりわけ「地方」は不利である。
 知的障害分野においては、学生ヘルパーの稼働時間数が非常に多い。サービスの主な利用時間帯が主婦層のヘルパーには敬遠されやすい平日夕方という時間帯であるのに加え、●●のようにかろうじて学生が確保できる地域では利用者から若いヘルパーを求める声が大きいからである。日常の生活の中で家族と学校教員、通所施設の職員などとしか接点のない児童、知的障害者がほとんどで、ガイドヘルプ利用は「どこに出かけるか」と同程度に「誰と出かけるか」が重要視される。思春期の高校生男子が50代の主婦ヘルパーと出かけたいと思わない感情は全く自然なものだろう。また、児童の支援は体力的にきつい内容が多く、寒暖問わずに数時間歩きっぱなしというような支援もざらにある。利用者のニーズに応えようと努力を続けた結果、当法人のガイドヘルパーは専従職員を除いた全員が学生であるが、その経験年数は最長でも2年半程度でしかない。そして、経験年数の長くなった学生は必然的に卒業の時を迎える。
 都市部では若いヘルパーの確保が比較的容易である。学生の多い地域ならば、入学直後に資格を取得させて在学中に行動援護に入ってもらうことが可能かもしれない。また、若者のライフスタイルも多様であり、卒後もフリーター的にヘルパー業を続ける者もいるかもしれない。しかし、地方で若いヘルパーを一定数確保するのは極めて困難な作業である。当法人は日常的に学生ボランティアとの接点があるため、そこからガイドヘルパー資格の取得も促してきたが、このような条件でもなければ、若いヘルパーはほとんど確保できない。まして2年以上の経験年数のヘルパーを確保し続けるのは極めて困難である。すると行動援護への移行は進みそうもない。
 また利用する側にとってみれば、自己負担額が相当安くなるはずの移動支援を利用せずに、自己負担額の高い行動援護を積極的に利用申請する理由はない。利用を促す唯一の方法は、事業所が経営の厳しさを伝え、泣きつくことである。事業所が「経営が苦しいので、利用料の高いサービスを買って下さい」と利用者に頼む。それはもはやサービスと言えるだろうか?
 このようにして、もはやガイドヘルプが主たる収益源として期待できなくなった知的障害分野の事業所は他のところに収入を求めるしかなくなる。しかし、ここでも「都市」と「地方」の差が顕著に現れる。
 知的障害のガイドヘルプを主たる収益源としていない居宅介護事業所で収益をあげてこられたのは、平日夕方や週末以外の曜日・時間帯におけるサービス利用がある程度まで確保できるところであったと考えられる。そもそも障害分野で介護保険単価と横並びにされることの最大の問題は、ヘルパーが1日に複数件のサービス提供を行うことがきわめて難しいということにある。日中にどこかで通所している利用者に対するホームへルプは同一時間帯に集中し、平日は1件しか入れない。ヘルパーの効率的な稼働が可能であるためには、どこにも通所しておらず、日中のホームヘルプを求めている利用者を確保しなければならない。
 そういった利用者は、地方には決して多くない。日中活動系の支援を熱心に整えている地域であるほど、その傾向は強くなる。また自立生活を目指して24時間の介護保障を望む者も都市部とは比較にならないほど少ない。都市部ならば、地理的に狭いサービス提供地域の中であっても膨大な利用者がいる。そのうちに数名の日中ヘビーユーザーがいるだけで、小さな事業所の運営というのは劇的に変わる。全国的に見れば、大都市を中心に数百時間にも及ぶ支給決定を受けた例がたくさんあるが、地方では「ガイドライン」を自治体で設定し、それをオーバーしないように支給量をコントロールするのが通例である。上限設定をしないというルールは今後も守られないであろうし、支給決定プロセスの透明化をいくら図っても、現在提供しているサービス水準を落とすことは現場として困難であろう。自治体審査会の裁量によって、サービス利用時間や内容に格差が広がることは容易に想像できる。
 新制度への移行によって、事業者の運営が苦しくなり、かつその損失をカバーする条件を都市部以外で確保するのは困難であるということを示してきた。これらは事業者本位の説明であったが、一方で利用者の視点から見れば、必要なサービスが無くなるという事態も起ころうとしている。事業者としては、その対応にも追われるだろう。以下では、日帰り短期入所廃止が事業者に及ぼす影響から、地方での事業所運営モデルを確立することがいっそう難しくなることを示す。

3 日帰り短期入所と居宅介護
 レスパイトサービスの整備を早くから行い、それらを短期入所へと移行させてきた地域にとって、予測(2)として挙げた日帰り短期入所の廃止の影響は大きい。日帰り短期入所と同様の機能を果たすものとして期待された地域活動支援センターが極めて脆弱な制度である以上、知的障害をもつ人々が通所先と自宅以外で過ごすことのできる場所は無くなってしまう危険がある。
 国が日帰り短期入所を廃止できるとする根拠はわからないが、なくなることを前提として考えれば、次に事業所として考えられるのは何か。
 ひとつは児童タイムケア事業である。対応できるのは児童だけということになるが、もともと日帰り短期入所の需要は知的障害者よりも児童に多い(逆に宿泊は児童より知的障害者に多い)。通所施設の終了時間よりも養護学校等の終了時間のほうがずっと早いからである。保護者の都合もさまざまであり、1年間毎日欠かさず定時にスクールバスのバス停まで子どもを迎えに行くことは簡単でない。児童デイサービスの利用年齢を小学生まで拡大する形で実施してきた事業所もあるが、利用者から中高生が抜け落ちてしまうのに加え、自立支援法での児童デイは療育色の強いものとなる見込みである。これでは、短期入所の持っていた機能を期待しにくい。
 児童タイムケア事業は地域生活支援事業となるから今後の展開は不透明であるが、現行の制度的水準でさえも運営を成り立たせるのは極めて困難である。利用時間が3時間以上で、利用が年間2000回以上なければ、事業所として認められない。2000回というのは月曜から土曜まで開所したとして、平均7人の利用者がいなければいけない。この条件をクリアできてようやく「D型」として認められ、600万円の補助が得られる。利用者負担を含めても、800万円にしかならない。7人の子どもを毎日受け入れるだけのハードを整備して、相対的に障害が重度で養護学校では1人あたり年間900万円以上の予算がつぎこまれている「児童」にほぼマンツーマンで介助スタッフをつけ、専従の職員をおいたときに800万円で運営できるところは皆無に等しい。可能性があるとすれば、障害をもつ児童の数そのものが非常に多い地域か、マンツーマン対応が求められない子どもの利用が相当数見込める地域だろう。
 そのような条件は極めて限られた地域でしか整わない。地方はもちろん、都市部であっても困難だろう。当法人のサービス提供エリアである●●●に在住する養護学校生は全部で23名である。うち7割ほどが療育手帳A判定を受けており、移動介護の「身体介護を伴う/伴わない」の区別に至っては、全体の8割以上が「伴う」とされている。23名の中には集団での活動の場を望まない者もいれば、他のサービスを希望する者もいる。サービスの利用を全くしていない者もいる。さらに●●●に限って言えば、共働きの家庭など保護者が放課後に子どもの面倒を見る事ができなければ、小学6年までは地域の学童保育所に通えるようにもなっている。毎日平均7名の利用などありえない。
 このような要件では事業所は増えないだろうが、現在重宝されているサービスを無くすわけにはいかないから、地域生活支援事業の中で柔軟な制度運用が期待されることになるのだろう。しかし、たとえ利用回数などの要件緩和が望めたとしても、単価そのものが改善される見通しは持ちにくい。すでに地域生活支援事業には相談支援、移動支援、地域活動支援センターなど、知的障害者福祉にとって欠かすことのできないサービスが組み込まれている。これらの重要な事業との間で財源を振り分けたときに、事業所が児童タイムケア単独で経営を維持できるようにはおそらくならないだろう。
 すると、どうなるか。倫理性の高い事業者はおそらくボランタリーな支援を増やすに違いない。ここでいうボランタリーとは制度外の支援に自ら踏み出していくという意味だ。独自の料金設定をして私的契約に基づくサービス提供を行ってきた事業所は、つい数年前までたくさんあったのだから、その時代に戻るだけであろうか。
 当時とは置かれた文脈が全く違う。今はもともと何も無かった時代ではなく、一度はできあがった支えが失われようとしている時代である。増大した利用者負担に今後の将来を悲観する利用者も多い。時代を単純に逆戻りすることはできないだろう。これから改めてサービスを制度外で独自に作り出そうとすれば、多くが職員の無償労働やボランティアに支えられるか、極端な利用者の選別をするしかない。まともな事業者なら、前者を選ぶはずだ。そして、自らの首をいっそう絞めることになる。
 ずっと自分には不満に思われてならないことがある。国として地方自治体として、事業所の運営モデルというものを、どのようにイメージしているのかということである。どのくらいの人口エリアを対象として、どのくらいの専従職員やヘルパーを雇い、賃金はどの程度の金額を支払うのが妥当で、どのような事業を組み合わせて実施すべきと考えているのか。法人を立ち上げて3年が経つが、いまだに全くわからない。
 個々の事業を単独で行うことが不可能な事業がどんどん増える。ガイドヘルプも難しくなった。グループホームも困難だろう。自立支援法によって日中活動系サービスも大変な苦労を強いられるだろうが、居宅支援はこれで壊滅である。通所施設等を複数抱えたような大規模な法人で、ひとりひとりの職員が少しずつ時間外の無償労働でもしなければ、事業所として成り立たない。それならば、個々の事業ごとに事業者指定するのなどやめにして、多種多様な事業を一度に運営できる事業者だけを認めればいいと、皮肉のひとつも言いたくなる。

4 地方の居宅介護事業所が存続するために
 このような状況で、自治体に何を期待すればよいのか、また期待してよいのか、悩んでいる。●●●は障害者福祉において熱意ある自治体に属していると思っている。●●●も同様である。すでにできる限りの努力はしていただいていることに感謝したい。
 すべては突き詰めれば金の話。おのずと限界はあるだろうが、上に書いてきたことを踏まえて、零細事業所の長として望むことを列挙して終わりたい。

■支援費制度のもとで地方にも生まれてきた小規模事業所を今後も社会資源として存続させようとする方向性を、自治体として確かに持っていただきたい。
知的障害者支援を中心に行う事業所にとって、移動介護(外出介護)の10月以降の展開は存続に関わる。移動支援の報酬単価設定が現状とかけ離れたものにならないように努力していただきたい。
ガイドヘルパー資格がなくなれば、移動支援の従業者要件が今後の問題となるだろう。全く研修を受けていない無資格の支援者が移動支援を行うようになるのは、いくら需給調整が楽になるとはいえ、歓迎できない。また資格要件を問わない支援の報酬単価は必然的に下がるだろう。
■一方で、現行のガイドヘルパー養成研修は実施回数も少なく、資格取得の希望者がいても研修に結びつきにくかった。柔軟な開講・受講が可能なカリキュラムの研修を前提として移動支援の従業者確保を行えるようにはできないだろうか。
行動援護の従業者要件である「経験年数2年」などの「経験」として認められるのは何か。まだはっきりしていない。この「経験」を施設勤務経験やホームへルプ従業者経験とすると、知的障害者居宅介護の事業所にとって、専従職員以外に行動援護ヘルパーを確保することはほとんど不可能となる。経験に「移動支援」を含めるように国には働きかけていただきたい。
■今さら言うまでもないことであるが、支援費制度時代から存在する地域格差は単純に自治体の支給決定の裁量によるものではない。それぞれの地域における人口、事業者数、事業所の運営形態、利用者の障害種別人数、歴史的経緯などの違いが大きいところに、同一の制度を適用しようとしたことの結果である。事業所の多様性を認め、運営を可能にすることのできる制度設計を望む。そのためには個々の事業ごとにきちんと採算のとれる報酬単価が設定されるように努力していただきたい。
■日帰り短期入所の需要は非常に高い。移動介護のような「場」を確保できていないサービスとは異なる機能を持っている。地域活動支援センターを活用する見通しが立たないのであれば、何らかの形でサービスが存続できるように検討していただきたい。
■児童に対する日帰り短期入所的機能を果たすものとして、もし児童タイムケア事業に期待を寄せているのであれば、新規参入が可能となるように指定要件の緩和と報酬単価の引き上げを検討していただきたい。
■熱意ある市町村の努力に報いることができるような財政的支援を都道府県として行なっていただきたい。
以上