泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[ニュース]続く無理心中

 dojinさん(http://d.hatena.ne.jp/dojin/20060405)やx0000000000さん(http://d.hatena.ne.jp/x0000000000/20060406)など、あちこちで話題にされはじめていることだけれど、やまのり和則氏のメールマガジンより。

追伸:いま悲しいニュースが入りました。去る3月11日に福岡市で、障害のある娘さんをお母さんが包丁で刺殺し、自分も自殺をはかるという痛ましい心中事件が起こりました。恐れていたことを現実になりました。原因は、この4月からスタートする障害者自立支援法により、自己負担がアップし、今まで利用していた作業所などが利用できなくなったからでした。悲しすぎる出来事です。心よりご冥福をお祈り申し上げます。合掌

 ほとんど報道されることもなく3週間以上が経って、一通のメルマガをきっかけに広まりつつある。「原因は・・・」以下は、新聞記事には書かれていないのではっきりした因果関係はわからないが、やまのい氏は断定されているので、きっと何かしらの情報は入っているのだろう。
 元記事がネット上では表示されないのだけれど、2月26日にもあった。

無理心中:69歳母、36歳娘を殺し「私も死ぬ」 仙台
26日午前0時半ごろ、仙台市宮城野区、無職、遠藤カツ子さん(69)方で、遠藤さんと長女のひとみさん(36)が倒れているのを、親せきの110番通報で駆けつけた捜査員が見つけた。 ひとみさんは布団の中で首を絞められ死亡、遠藤さんも浴室で両手首を切っており、病院で死亡が確認された。 遠藤さんは親戚に「娘を殺した。私も死ぬ」と電話しており、無理心中とみている。
 仙台東署の調べでは、ひとみさんには知的障害があったという。
 倒れていた遠藤さんの近くに家庭用包丁が落ちていた。また、茶の間から「疲れました。許してください」などと書かれたメモも見つかった。 親戚に電話した前後に、遠藤さんが寝ていたひとみさんを殺した後、両手首を切って自殺をしたと見ている。

 こちらも元記事がネット上では表示されないのだけれど、3月5日にもあった。

知的障害の長男を殺害し、父は自殺か 高松
毎日新聞) - 3月5日22時31分更新
 5日午前10時45分ごろ、高松市の無職男性(63)方の離れで、長男(37)が布団の中で死亡しているのを、男性の妻(62)が見つけた。また、付近の池で男性が死亡しているのも発見された。香川県警は、男性が重度の知的障害を持つ長男を殺害した後、自殺を図った無理心中とみて調べている。

 統計上、はっきりとしたデータがあるかどうかは知らないが、自殺者や殺人被害者のうち何人ぐらいがこうした家族介護者、障害者なのだろう。そして、自立支援法の影響はどのくらいあるのだろうか。報道されない範囲で、まだまだ同じような事件が起こっているような気がしてならない。

(4月7日追記)
 上の内容にけっこうブックマークをしてもらえているようなのだけれど、仙台と高松の事件については、自立支援法との関連がはっきりと指摘されているわけではないことを念のために付け加えておく。ところで、たかだか1ヶ月ほど前のこれらの記事が既にネット上で読めなくなっているのはなぜなのだろう? どうも意図的に削除されているように思えるのだが、考えすぎだろうか。被害者が「障害者」だから?