泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[日誌]自閉っ子、介護保険

 アメニティフォーラムinしが、2日目。
 「自閉っ子」であるニキ・リンコさんの話を楽しみにしていたが、予想通り。今日一番のヒットだった。言葉の選び取り方が上手な人で、聞き入ってしまう。自閉症についてはある程度まで理解している参加者が多いはずだが、当事者の口から語られるさまざまなエピソードに客席からはどよめきの声。環境が変化すると「風袋(秤で物の重さを量るときの容器の重さ)」をいちいち変えねばならず「リソース」を消耗してしまう、という話はわかりやすかった(全館暖房で室温が一定に保たれているとリソースを使わないで済むので、できることが増える、というのには驚き)。終了後、飛ぶように著書が売れていた。
ニキ・リンコさんホームページ↓
(自閉連邦在地球領事館附属図書館)
http://homepage3.nifty.com/unifedaut/
 その他のシンポジウム等は部分的にしか出ずにロビーで読書したりもしていたのだが、ここ数年は回を重ねるごとにすごく政治性を帯びたフォーラムになってきており、今日の第8シンポジウム「そもそもの障害福祉の予算を4倍にしよう!」はそのピークに達した感があった。パネリストは大村秀章氏(自民党衆議院議員)・衛藤晟一氏(元厚生労働副大臣)・戸枝さん(全国ネット事務局長)・熊井さん(NPO法人わーかーびいー)。介護保険への賛成は全国ネットの方針なので今さら感想もないが、シンポジウムそのものに政治的機能を持たせようという意図がこれだけ見えると、なんだか聞いていてつらい。みんな結果を出すためになりふりかまわず必死なのだ*1
 しかし、フォーラムの意図に反して、報道ではやはり自立支援法介護保険導入に批判的な部分が切り取られているのであった。以下は毎日新聞の記事。玉木さんは介護保険導入について肯定的な発言もしていたのだけれど、そこはカットされている。
アメニティーフォーラム:障害者自立支援法を中心に−−大津、あすまで /滋賀
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060218-00000235-mailo-l25
 懐かしい人とも少しだけ会えた。全国規模のイベントのよいところである。明日は参加できず、ガイドヘルプ。

*1:戸枝さんがたまにこのブログを読んでくれているということがわかったので、どう書いていいか悩ましい。全国ネットの運動方針については自分として複雑な思いがあり、明確な立場表明もできずにいるが、パイを大きくするためにあくまで現実的に、ときには批判の矢面に立って仕事をされていることには、心から敬意を表したい。制度論を越えたところで理想の支援についてじっくり話せたら、きっと多くの熱意ある支援者の考えていることは共通していると思う。