泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[日誌]高齢者通所介護

 ヘルパー2級研修の実習1日目。高齢者デイ。
 遠方のため5時起き。昨夜もセキこんで何度も目が覚めたため、3時間ほどしか眠れない(仰向けで寝るからいけないのではないかとまで思い、うつぶせで寝てみたりもしたが、やっぱりセキこんで失敗)。実習先の立地条件を恨んだ。何も無い山奥の施設で、たどりつけるかどうかも不安だったが、どうにか時間通りに到着。
 この地域の社会福祉協議会で行われているデイサービスをイメージしていたのが大間違いで、施設の広くてきれいなことに驚く。なんで同じ社会福祉法人でもこれほど財力に差が出てしまうのか。
 自己紹介を求められて、正直に知的障害者支援をやっていると言ったところ、「あー、そんな感じ」って、どんな感じなのだろう。その後、センター長がいろいろと話しかけてくる。内容は国の施策に振り回される現場の窮状について。怒っているのはどこの分野も同じだ。明るい話題が何も無い、ということを確認しあって、終わる。空しい。
 実習中には介護職員から普段の仕事内容について尋ねられるが、どうやら「知的障害者の地域生活支援」のイメージが全く描けないようで、説明に苦慮。自分は最近、運営コストから考えれば「高齢」と「障害」の事業所が縦割りで存在するよりも、介護保険事業所が障害分野に乗り出すほうが需給調整の点で効率的であり、政策的にもそちらに誘導されていくのだろうと予想しているが(それが良いか悪いかはともかくとして)、たとえ障害者福祉が介護保険に統合されても、この調子では事業所間の役割分担が続く予感がする。
 そして利用者に対する「目の離せなさ」の違いは自分の仕事と比較にならないほどだった。通所者が本日16人。職員が4人程度でも、問題なく安全確保をしながら一日が過ごせていた。養護学校生16人集めて、4人で対応しろと言われたら、全くお手上げである。倍の8人でもお手上げ。しかし、国としては同じようなものだと思っているに違いない。障害者分野のデイサービス、ショートステイ事業所は来年度地獄を見ることになるだろうが、介護保険との統合を意識しての地ならしならば、考えられないほど低くなる(と予想される)単価や補助額の設定も自然なことのように思えてくる。
 自分の実習ぶりはといえば、大した働きもできなかった。利用者の方たちとの会話の糸口が最後までつかめなかった。うちに来る学生ボランティアも最初はこんな気持ちなのだろうかと考えさせられもした。自分の力量では、利用者の方についての情報量が少ない中でのコミュニケーションには限界を感じる。上手い人ならば初対面でもなんとかやっていける資質を持っているものだが、その資質がない者のコミュニケーションを活性化させられる環境づくりは現場にとって大きな課題だろう。
 最後に、少し話は変わるが、大阪の野宿者の強制退去のニュースがTVで流れていた。介護職員たちがみんな「あんなの早く無くしちゃえばいいのに」「子どもを連れて行けない」という反応。高齢者は包摂、野宿者は排除。その根拠ははっきりしない。