泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[日誌]地域性なるもの

 仕事を少し早めに終えて、都会へ。若手のNPO関係者が集うイベントに行き、自分と同い年の優秀な社会起業家の話を聞く(「社会起業家」の定義についてはよく知らない)。さまざまな分野の関係者が集まっていたが、障害者支援を中心にやっているのはその彼と自分だけ。
 支援費事業以外にも多様な事業を展開して、とても順調にやっている様子だった。話が上手い。直接にいろいろと質問もさせてもらったが、障害者支援についての現状認識や価値観をめぐっては共感できる部分も多い。
 ただ、支援システムの構築に関しては都市部だからこそできているのではないかと思われる話も多かった。「それぞれの地域特性に合ったやり方があるから、他の地域でもできないということはない」というのはもっともだけれど、聞き出した利用者数とサービス提供時間数から推定するに一人あたりのサービス支給決定時間数はきっと相当なものだ。田舎ではそんなに支給決定が打たれない。また、身体障害の利用者も多いようだ。このあたりの前提条件はそれぞれの地域での事業所の独自の努力には左右されない。また「自分たちのスタイルでやるので、それになじまない人は他の事業所へどうぞ」というのも他の社会資源がないところではできない。
 「地域に合ったやり方」というのは、広義の支援者の確保については確かに考えやすいように思う。ただ、それだけですべての支援の展開においてうまくいくかどうか、という疑問は依然残ったまま。単純すぎる整理かもしれないが、なんだかこの分野の事業者が運営を継続させていくための方法として「ビジネスへの進出」か「ボランティアの活用」かの二極分化が進みかけてはいないか、というのが率直なところ(もちろん、そのように駆り立てられる動機はさまざまである)。がんばっている同業者に会えるのはうれしいが、いまひとつ気持ちは軽くならない。
 明日はヘルパー2級研修の実技スクーリング最終日。これが終われば、実習を残すのみ。