泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[ニュース]一般財源化の標的

 やまのり和則メルマガ(736号)による情報。

 連日報道されているように、三位一体改革で地方に対する5000億円の財源委譲を、厚生労働省小泉内閣(安部官房長官)から迫られています。
 しかし、生活保護費の財源委譲については地方が大反発しています。そんな中、全国知事会の麻生会長が、なんと5040億円の障害者福祉予算(支援費と施設整備費)を削減対象として提言しました。
 この財源委譲について簡単に言えば、目的が決められた国からの補助金でなく、地方の一般財源として、地方にその予算が委ねられます。きれいに言えば、地方の裁量が大きくなるわけです。
 地方分権の主旨にはかないます。しかし、実際には、財政難の今日、また、障害者福祉への取り組みが地方によって大きく異なる中で地方に委譲すれば、障害者福祉に不熱心な自治体では、障害者福祉予算をカットしやすくなります。地域間の格差是正のための国の大きな道具の一つがなくなることになります。
 何よりも、もしこれが実行されたら、問題だらけの障害者自立支援法の最大のプラス面であった「裁量的経費の義務的経費化」が変質し、この法律の主旨が根本的に変わります。厚生労働省の障害者福祉関係者もこの知事会の提言に困惑しています。

 まだまだ広がる地域格差。どちらを見ても敵ばかりか。国政が削れと言い、地方がこれなら削っていいと言い、官僚がそれはまずいんじゃないの、と言う。なんだこれ。