泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

[ニュース]福祉人材の有効求人倍率

福祉新聞2267号(10月31日発行)より

 有効求人倍率1.03倍 介護分野、大都市圏で人材難
 全国社会福祉協議会・中央福祉人材センターがまとめた今年8月の職業紹介実績報告で、有効求人倍率が1.03倍と同センターの事業開始後初めて1倍を上回ったことが明らかになった。特に介護分野、大都市圏の有効求人倍率は高く、求人をしても人材を確保できない事態になっている。
 実績報告によれば、各都道府県の福祉人材センターに寄せられた8月の有効求人数は7月に比べ7.7%増の44698人。これに対し、有効休職数は4.3%増の43557人と求人数を下回った。有効求人倍率は1.03倍(100人の求職者に103の仕事がある状態)で、1993年に同センターが設置されて初めて1倍を超えた。
 同センターの統計によれば、毎年8月の有効求人倍率は、02年0.48倍、03年0.53倍、04年0.72倍と少しずつ上がっていた。しかし、今年は有効求人数が19.1%増える一方、有効休職数が16.8%も減少したことで、有効求人倍率が1倍を超えた。
 年間の有効求人数は今後の動向に左右されるが、8月と年間平均有効求人倍率の差は毎年ごくわずかなため、年間平均でも1倍を超えることが予想される。
 分野別では、児童福祉分野0.20倍、身体障害者福祉分野0.11倍、知的障害者福祉分野0.19倍に比べ、高齢者福祉・介護保険分野が1.37倍と著しく高くなっている。職種別でも介護支援専門員1.42倍、ホームヘルパー1.10倍など、高齢者・介護保険分野の職種で有効求人倍率が高くなっている。
 また、都道府県別に見ると最も高い大阪府は3.68倍で、100人に対し368の仕事がある状態。単純計算で268の事業所は求人をしても人が確保できない状態になっている。一方、最も低い岩手県は0.13倍と100人に対し13の仕事しかない状態になっている。
 有効求人倍率が1倍を超えているのは22都道府県で、大阪府以外にも東京都2.73倍、愛知県2.91倍、広島県2.56倍など大都市圏で高くなっている。
 有効求人倍率が上昇しているのは福祉分野だけではない。厚生労働省がまとめた今年8月分の一般職業紹介状況でも、有効求人倍率は0.97倍と急上昇しており、バブル期の90年の1.00倍を機に1倍を下回っていた事態に歯止めがかかりそうだ。
 こうした求人難の影響は、各都道府県の福祉人材センターが行っている就職セミナーにも現れており、例年に比べ訪れる求職者の数が減っているという。
 突然やってきた求人難の事態について、中央福祉人材センターでは、景気回復により民間企業の雇用状況が改善されたことが主要因と見ている。また、今後もこうした状況が続く一方で、介護報酬の見直しなどにより福祉従事者の雇用条件が悪化したり、働きがい・魅力がる職場をつくったりできなければ、福祉職場の人材難はますます進むと危機感を抱いている。