泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

苦悩する大臣

尾辻大臣8月10日付閣議後記者会見概要
http://www.mhlw.go.jp/kaiken/daijin/2005/08/k0810.html

(記者)
 障害者自立支援法案なんですけれども、解散になってしまって廃案ということになってしまったわけですが、そのご感想と今後の再提出の可能性なども含めて今後どうされるかということをお伺いできますでしょうか。
(大臣)
 かねて申し上げておりましたように、障害者施策は谷間になっていたと私は考えております。その谷間を一挙にとまでは言いませんけれども、とにかく埋めていきたい。そのことで私も大臣就任以来がんばってきたつもりであります。そしてまた障害者施策全体が谷間だと思っておりますけれども、「谷間の谷間」とでも言いましょうか、精神障害の皆さんに対するところというのは、さらに谷間になっていたと思います。そうした谷間を埋めるべく今回私どもは障害者自立支援法案を出しました。これは自画自賛するわけでもありませんけれども、日本の障害者施策にとって画期的なものであると考えております。ですから私たちは何が何でもこの法案だけは通していただきたいと、前国会で全力を挙げてまいりました。それが廃案になったということは極めて残念であります。しかし私たちはここで障害者施策を頓挫させるわけにはいきませんから、これは次の臨時国会でも早急に成立させていただくべく、引き続き全力を挙げての努力をしたいと考えております。
(記者)
 その際、国会中でも様々な審議がありましたけれども修正を加えるということは考えていらっしゃいますでしょうか。
(大臣)
 修正を加えるというよりも、やはり一番の問題点は障害者の皆さんに一割負担を求めるというところにあったと思います。私どもは「その他の制度との整合性」とでも言いますか、もっと言いますと「将来の介護保険の普遍化」ということなども考えますと、どうしても建前として一割負担は言わざるを得ない。ただ建前として一割負担を言うけれども、障害者の皆さんのことを考えると実質一割負担というのが厳しい方も非常に多いわけでありまして、実質のところではうんと既に配慮しておる。このことを反省点として申し上げると、国会で私どもも十分にご説明できなかったのかなと。あるいは障害者の皆さんに十分ご理解いただけなかったかなという反省点はありますけれども、ここはもう一度実質の部分をよくよくご説明申し上げれば理解していただけると思っておりますから、今のお話のように修正というよりも本当の姿、と言いますか私どもが思っておる・考えておる、そして法案の中でお示ししておる姿というものを十分にご説明申し上げたいと思っております。
(記者)
 確認ですが、骨格云々というか一割負担のところも含めてですがほぼそのまま。
(大臣)
 私はこれを変える必要はないと考えております。十分にご説明を申し上げると必ず理解していただけると考えております。
(記者)
 引き続きなんですが、臨時国会は会期の幅なんかもまだ分かりませんので、もし成立が難しいようなケースになると現行制度の支援費の予算不足というようなことを障害保健福祉部がおっしゃっているんですが、その点についてのお考えというのもお聞かせいただけますでしょうか。
(大臣)
 先程来申し上げておりますように、選挙結果がどうなるか分かりません。またその後どういうことになるのかも全く予想がつきません。そうした中でさらに申し上げると臨時国会がどうなるかも予測がつかないわけであります。
 従ってその辺のことがどうなるかということは今私が申し上げることはできませんけれども、ただ厚生労働省としてもそうでありますが、私としても自立支援法案はとにかくできるだけ早い時期に通さなければ日本の障害者の皆さんに対する施策が前に進んで行かない。これだけは何が何でもやらなきゃいかんと考えておるということをまず申し上げたところであります。細かな、やや技術的なことで申し上げると、確かにこのまま臨時国会障害者自立支援法が成立ということにならなければ、支援費制度のままでやるのでは、その場合に予算はどうなるのか。「支援費として金が足りるのか」と言われると大変厳しい話はいろいろ出てくるということは言わざるを得ません。

 概ね予想どおりのコメント。世論調査の結果など見ると自民党の支持率は思ったより高く、自民党公明党政権の可能性も十分にありそう。一方で、国民から見た争点は「郵政」ではなく、「社会保障年金問題」がダントツの様子。うーん。みんな「小さな政府」って言葉の意味をどのくらいわかっているのだろうか。