泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

かけ引き

 転送されてきた某民主党議員のメルマガより転載。

 メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。24日から東京都議会議員選挙。国会も緊迫した雰囲気です。
 そんな中、今までからメールマガジンで書いてきた障害者自立支援法案について動きがありましたので、取り急ぎ報告します。民主党のホームページから抜粋します。

2005年06月22日
【次の内閣】障害者自立支援法案の修正協議打ち切りを決定
 民主党『次の内閣』は22日午後、国会内で閣議を開催し、「障害者自立支援法案」の修正協議について対応を決定した。横路孝弘ネクス厚生労働大臣が、与党や厚生労働省との協議経過を報告。
 民主党は、党としては原案反対であるが、定率負担導入の凍結など9項目について、与党側に法案の修正協議を申し入れるとともに、厚生労働省と政省令事項について協議を重ねてきた。22日に与党側から示された回答には、法案修正には応じられないが、協議は続けたいなどとあり、修正協議の継続の可否をめぐり、各ネクスト大臣からは、「内容的には極めて不十分だが、たくさんの政省令事項の一つひとつが障害者の命・生活に関わることであり、協議は続けるべき」「期限を設定した以上は、引き伸ばす戦術に応じるべきではない」などと活発な発言が相次いだ。閣議としては、ゼロ回答を受けて与党との修正協議は断念すること、ただし、無責任に放置はせず、政省令事項という不透明な部分を厚生労働省へきちんと確認するなど、国会審議その他の場を通じて、不安が解消されるような状況づくりに努力を続けるべきことを確認した。以上

◎つまり、メールマガジンでも紹介したように6月8日(水)に民主党は、9項目の修正要求を与党に提出しました。しかし、回答期限の22日までに民主党に戻ってきた与党の回答は、ほぼゼロ回答であったので、民主党としては、修正協議を打ち切ったわけです。
 これに対して、23日に自民党公明党は記者会見を開いて、「障害者自立支援法案に関する声明」を発表しました。すべては書けませんが、その声明文の最後の5行を紹介します。

 支援法案は、今後の障害者に対する支援体制を整備する重要な法案である。かかる事態を踏まえ、与党は、断固として支援法案の成立を期すとともに、引き続き関係者の声に真剣に耳を傾け、それに応え、よりよい制度の構築に最善の努力を尽くし、政権政党としての責任を果たす決意である。民主党においても、修正協議打ち切りの決定を即刻撤回し、与党との協議を継続すべきである。

 私は、この与党の声明を読んでいくつかの点を疑問に感じました。
◇まず第一に、そもそも政府が与党の法案審査を経て、「自信と責任を持って」障害者自立支援法案を国会に提出しているわけです。当然、完璧な法案だと確信しているから提出しているはずです。それが証拠に郵政民営化法案などは、ほんの少しの修正に関しても、小泉首相は頑として「修正に応じない」と突っぱねています。
 普通、法案を提出した政府・与党は、野党が要求しても修正には応じないケースが多いのです。しかし、この支援法案では、話が逆です。民主党が修正協議を打ち切ったと言って、与党が怒っているのです。でも、おかしくないですか。政府・与党はこの自立法案がそのままでも素晴らしい、問題がないと自信を持っているから国会に提出して、成立させようとしているのではないですか? 今回の声明は、与党自らが自立支援法案には問題点があり、このままでは成立させられないということを認めたことになるのではないでしょうか。
 私も5年間、国会議員をしていますが、与党に修正協議を蹴られたことは何度もありますが、与党から逆に修正協議を続けてほしいと言われたのは初めてです。
◇次に、「引き続き関係者の声に真剣に耳を傾け」と書いてありますが、今日まで障害者の方々の声に耳を真剣に傾けずに、法案作りをしてきたのは政府・与党でしょう。それが証拠に5月12日に日比谷公園で行われた8,000人規模の集会では、「私たち(当事者)抜きに、私たちのことを決めないで!」が、キャッチフレーズでした。
 そもそも関係者の声に真剣に耳を傾けて法案作りをやっていたら、こんなに大反対運動が起こるはずがありません。
◇三つ目に、今回の与党から民主党への回答では、「所得保障」「移動介護」「自立支援医療」などの根本問題について、「引き続き協議を続けたい」と書くだけで、具体的にどのように修正するかが書かれていません。
 5月連休明けから自立支援法案の審議が始まり、すでに1ヶ月半が経過しています。最初の厚生労働省の予定では、5月末には衆議院を通過している予定だったはずです。しかし、法案審議開始から既に19.5時間の審議を行い、近い将来、採決をしたいと与党が考えているにもかかわらず、このような根本的な基本問題について、まだ回答ができず、「引き続き協議したい」とは、いったいどういうことなのでしょうか?
◇四つ目には、この法案が不十分であり、修正協議が必要と与党が考えるならば、まずは民主党に言うのではなく、与党自らが政権政党の責任において、この自立支援法案を修正し、「この法案なら問題ありません」と胸を張れる法案に作り直した上で、民主党に対して、「審議しよう」と呼びかけるのが筋です。
○自分たちが勝手にできの悪い法案をつくっておいて、その法案の修正に民主党が協力しないのはけしからん、という前に、まず、修正の必要がないと自分たちが確信する法案に作り変え、障害者団体や民主党に提示するのが与党の責任です。
 ある与党の議員から、「このままの支援法案じゃ、とてもじゃないけど問題が多くて通せないので、修正協議に応じてほしい。与党がつくった法案に与党だけで修正を加えることはカッコ悪くてできないから、民主党の力を借りたい」と言われました。
 私は、「それはおかしい。そんな欠陥法案を出すのでなく、まず、自分たちが責任を持てる法案を出して下さいよ」と言いました。
◎もし、自立支援法案に与党自らが修正の必要性があると認めるなら、まず与党の責任において修正を加え、改めて国会に提出してほしいと切に願います。民主党の修正要求9項目はすでに与党に提出しました。自分たちができの悪い法案をつくった責任を棚に上げ、それが改善できない理由を民主党に押し付けるのはとんでもない言いがかりです。
 以上、今日のメールマガジン終わります。

 自民党の再反論も聞いてみたいところだが。毎日新聞によると、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050623-00000097-mai-pol

厚生労働省は「政争の具にされている」と戸惑いを隠さない。

 ビンゴ。