泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

フェア・トレードと授産品

 さらに上記の本の65〜71ページ、市橋秀夫フェア・トレードは未来をひらく魔法の杖か?」。
 http://d.hatena.ne.jp/dojin/20050516#p2を読んで、「フェアトレードって、そんなに消費者主義的なマーケティングに組み込まれてるんだろうか(よく知らないけど)・・・?」とぼんやり思っていたところに、ストライク。イギリスにおけるフェア・トレードは、確実に市場規模を拡大する一方で、大企業や大手スーパーに販路を求めた結果として、利潤追求のために利用されてジレンマを抱えているらしい。
 「南の生産者の生活が向上し、自然が守られるならば、それでもいいのだ」と開き直ることをどう評価するのかは、おそらく多様な立場があるのだろう。完全に専門外なので、詳しく踏み込むのはやめておく。読みながら思い出したのは、障害者授産施設における「授産品」のことであった。
 まさに「スロー、スモール」であり、「慈善や援助としてではなく、ビジネスとして成立させる」ことを目指しているという点で、フェアトレードと重なる(もちろん中には目指していないところもあるだろうけれど、少なくとも「『買いたい』と思ってもらえるものを作りたい」という話はひんぱんに聞く)。販路を拡大して売り上げを伸ばし、工賃を上げることはどこでも課題である。しかし、局所的にはどうあれ、全国的に見れば大きな成果は見えていない。授産品の「ブランド化」って、ありえるのだろうか。さらにはそれで授産品がよく売れたとして、バンザイって言えるのだろうか。よく売れることがどこにとっても課題だろうけれど、とにかく売れればそれでいいのか、ということももっと議論されてよい。