泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

制度が変わる。生活も変わる?

 明日のグランドデザイン&障害者自立支援法説明のレジュメをようやく完成させて、帰宅。日付が変わっている。夕食はローソンで購入のSPA王。実家の親が聞いたら、きっと泣く。
 これまで二次的な資料ばかりで、グランドデザインや自立支援法をきちんと読み込んだことはなかった。昨日から今日にかけて、しっかり目を通してみての感想は、「大多数の知的障害者にとって、自己負担と移動介護の問題を除いたとき、そんなに生活が変わるとは思えない」。
 通所施設が各種「事業」として再編成されるとしても、いま通所している人はこれまでと同じような日中の過ごし方をするだろう。もともと「授産施設」といっても、さまざまな過ごし方がされていたのだ。制度が実態に追いついただけである。一般就労への移行プログラムは、急激に成果をあげるはずもないから、利用者の入れ替わりもそれほどないだろう。入所施設の地域移行は、グランドデザインが打ち出された頃よりもはるかにトーンダウンしているので、これも現状維持だ。
 ケアマネジメントや審査会などの支給決定プロセスにはかなりの地域格差が出るだろうけれど、もともと熱意のある自治体ならば良心的な審査会委員を選ぶだろうし、そんな自治体ならば相談支援事業者も育っているだろう(たとえ育っていなかったとしても、委託するかどうかは自由なので、すぐれた自治体なら自分でやるかもしれない)。障害程度区分には少し不安があるが、一次判定には知的障害に配慮した項目も入ってくるらしいし、最終的には審議会で就労や社会参加のニーズも勘案されるので、熱心な自治体なら二次判定に期待できる。
 ケアホーム創設に伴うグループホームの問題は今後の動向に注目したい。それでも現実にいま暮らしているホームから退去を強制される、という事態は常識的には考えにくい。
 結局、自己負担と移動介護の問題を除けば、良い条件の整っている地域では良い支援が継続して受けられるし、悪い条件のそろっている地域はこれまでどおり悪いままなのような気がしてならない。A4で6枚にも及んでしまったレジュメを説明して、はたして明日の聴衆(養護学校生の保護者)はどのように将来見通しをつけるのか?