泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

移動介護と個別給付

 歓迎会後、子どもたちの遠足の候補先を下見しに、某所へ。予想していたよりも、急な坂道が多く、ぐったり。他の候補も含めて、再検討へ。みんなが同じように楽しめる場所なんてめったにないとは知りながら、できるだけ大人数の参加が得られるところを考えてしまうので、難しくなる。ガイドヘルプがはじまって、個別の外出ニーズが爆発的に出てきたことからわかるのは、ひとりひとり楽しめる場所は違う、という当たり前の事実だった。その結果として集団での外出は次第にすたれていくと思っていたが、いろいろとしがらみもあって簡単にはやめられそうにない。政策的にも集団でのボランティアによる外出を奨励していきかねない機運がある。見通しは暗い。
 移動介護が来年10月に「移動支援」として市町村事業になったときに、どんな形態での外出になるのか。外出ニーズの詳細に関する実証調査など誰かやろうとはしていないのだろうか。国は「市町村で柔軟に対応」と言うけれど、最も柔軟にニーズに応えられるのは個別給付を前提にしたサービスに決まっている。集団にしたときに個々の支援者の力量を補完できたりことはあるが、それは需給調整する側の都合であり、それぞれのニーズとは別の話である。もし大人数で出かけたいという利用者がいれば、それは個別給付を前提に集団で出てもいいはずだ。そのときマンツーマンのヘルパー配置が過剰なケースもあるというならば、ヘルパーの派遣形式に応じた単価を考えることで事足りる。個別給付にすると柔軟な外出ができないというのは飛躍であり、合理的な根拠はどこにもない。障害が重度ならば個別給付の行動援護類型というのだから、いよいよわからない。
 そんなことを考えながら、下見をしているとなんだか軽うつ状態に突入。あーあ。