泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

博士の需要

少し前から各方面で話題の創作童話「博士が100にんいるむら」
http://www.geocities.jp/dondokodon41412002/index.html
 あちこちのブログで、内容の正確さについての疑念だとか、オーバードクターの将来不安だとか、ずいぶんコメントされている。もともとは理系の博士に関する調査結果に基づいているらしい。人文社会科学系の博士はもっと悲惨とも言われている。
 この点では、社会福祉系は恵まれているよなぁと思う。ほとんど研究実績がなくても、博士課程に在籍中から講師の依頼はやってくる(大学によって多少の違いはあるのかもしれないけれど)。もっと言えば、修士課程を出てすぐに専門学校等で教え始めることも全然珍しくない。社会福祉系といってもずいぶん裾野が広くなっているので、自分の研究テーマとはかけはなれた内容の講義をまかされて準備が大変という愚痴もしばしば聞くけれど、幸せな悩みかもしれない。
 社会福祉系の博士号取得者の行方についての調査は、これまで目にしたことがない。たぶんかなり高い就職率だろうと思う。需要があると言えばそれまでだけれど、こんなに学問分野によって格差が出てよいものか。人文社会科学の諸分野は社会福祉と切っても切れない関係のはずなのだが、4年制大学の一般教養ぐらいでしか学ばれない。社会福祉系の院生で経済や政治や哲学に精通している人はほとんどいないと思う(中途半端に勉強して、それを堂々と論文や学会発表にちりばめたりする人はたくさんいるけれど)。なんだか世の中バランスが悪い。