泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

JR報道雑感

 今朝からボウリング大会の話ばかり報道されているが、これはそんなに全テレビ局が長時間かけて放送すべきことなのだろうか。朝の情報系番組は司会もコメンテーターもみんな「セーギの味方」になっていた。
 ボウリング大会のことだけではない。ここ数日のマスコミはJRの企業体質(あるいは職員の「人間性」)を攻撃することに躍起になっている。JR職員に判断ミスがあったのは間違いない。二次会・三次会も不謹慎にも決まっている。被害者や遺族の方々の怒りも当然だ。しかし、企業体質を批判することと、事故の原因や責任を追求することは全く別のことだ。事故の発生とJRの企業体質に因果関係があったかどうかはわからないし、それを実証するのは極めて難しい。百歩譲って企業体質に事故を引き起こした要素があったとしても、それだけであれほど大きな事故の十分条件になるはずがないし、「企業体質に責任がある」というのは何を言ったことにもならない。
 それをここまで取り上げることに「とにかく悪者をはっきりさせて、叩くことですっきりしたい」という以上の動機があるとは思えない。街行く人にマイクを向けてJRを罵倒させることは、マスコミが主導すべき社会的制裁ではない。
 それでも企業体質を問いただしたいならば、「あなたなら、本当にボウリング大会には参加しませんか。上司にやめろと進言しますか」。「あなたの夫や息子がJR職員ならば、参加しなかっただろうと思いますか」。そんな問いかけがあってもいい。もし、みんなが自信をもってYESと言えないならば、そこからきっと有益な議論ができる。