泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

ニュースJAPAN(5/4夜放送)

 障害者介護特集②。自立支援法と中途障害者の関係に視点を移したが、触れられたのは結局1割負担の問題ばかり。「1割負担になると障害者は経済的に大変だ」という主張なら、前日のくり返しでしかない。
 そう思って見ていたら、VTRあけにキャスターが「中途障害はみんなにありうることだから、決して人ごとではない」という趣旨のコメント。結局、それが言いたかったのだろうか。だとすれば、「健常者」と「障害者」の生活の重なりうる部分を伝えることで障害者介護制度の重要性を示そうとするという点で、前日と同じ構図にはまっている。ゆえに今回の場合は「自分にありえないことならば、人ごとだ」という隙を残し、また別に排除される人々を生み出すことになる。
 やっかいなのは、これはこれで多くの視聴者には説得力があるのかもしれないということだ。「障害者」も自分たちもある側面においては「同じ」であると言われることで、多くの人々はまず安心することができる。それから相互に理解しようと踏み出していく。
 もちろん「同じ」であることから話をはじめることは、差別に対して「『同じ』であるのに、なぜ私たちは区別される」と「武器」になることもある。私も一般の人にむかって障害のことを語るとき、つい「同じ」部分から語る。しかし、この「同じ」部分を媒介することなしに、私たちは他者と理解しあえないのだろうか。もし理解できないとしたら、「同じでない」他者に対する適切な実践や政策を、私たちは展開できないということになるのだろうか。
 なお、今夜は特集③で「イギリスの障害者介護」らしい。