泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

事業者が悪いのか、制度が悪いのか

とみたさんの「社会福祉制度改革の情報サイト」より

グループホームにおける消費者問題と権利擁護に関する調査研究(概要)」http://blogs.yahoo.co.jp/totutotu1968/862716.html

 利用者の権利が守られているか、という観点からの調査だけれど、職員数や労働条件についても書かれている。ここ最近、障害者福祉における労働条件のことばかり書いているような気がして、自分でも嫌な気分になっているけれど、この調査を見ても、やはり知的障害分野は認知症高齢者分野と比較すると、給与、職員配置、雇用保険、被用者年金など、あらゆる面で劣っているようだ。
 しかし、調査結果に続く提言内容はすべて「ホームに対する提言」のように読める。つまり、問題点はすべてホームの責任。

グループホーム運営者は、常に職員の過重負担状況に十分注意する必要がある。(中略)介護・援助の質の向上には専門職の育成と十分な対価を支払うことが必要である。(11ページ)

 誰だってわかってるよ、そんなこと(もちろん、毎日新聞で野沢記者が書いているように、悪徳な事業者も中にはあるのだろうけれど)。
 このほかにもホーム関係者が成年後見制度を理解して普及につとめろとか、制度の不備には一切触れない記述多数。この調査結果に関する新聞報道では利用者負担の大きさがクローズアップされているが、9項目にわたる提言の中では利用者負担について全く触れていない(「概要」ではあるが、これは意図的に触れていないとしか思えない)。独立行政法人による調査の限界?