泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

2012-01-01から1年間の記事一覧

圧巻の「障害児の親」研究が出た

自分は「実証研究」と呼ばれるものがあまり好きではない。対人援助分野に関して言えば、多くが「およそ現場でわかっている」ことを再確認するか、現場の感覚であれば当然のごとく「変数」としてリサーチデザインに組み込まれるべきものが抜け落ちているのを…

この文脈で何がどう「誤解」なのか?

話題となっている報道ステーションでの石原「尊厳死」発言。動画は消されてしまうかもしれないので、文字に起こしてみた。 報ステ 石原伸晃 ナマポ 尊厳死発言-2012年09月11日 http://www.dailymotion.com/video/xtgvfv_yyy-yyyy-yyy-yyyyy-12y09y11y_news …

見たくない名前たち

発達障害と向き合う (幻冬舎ルネッサンス新書 た-6-1)作者: 竹内吉和出版社/メーカー: 幻冬舎ルネッサンス発売日: 2012/04/24メディア: 新書購入: 3人 クリック: 34回この商品を含むブログを見る 発達障害関連の本が新書で次々と出版されて、どうせ追いつか…

支援者が集められる。地域福祉活動計画の中で「障害者のためにできることを考えたい」と社会福祉協議会が言う。 社会福祉協議会が何をやっているのかをよく知らないから、みんないろいろ聞く。社会福祉協議会の機能や事業内容を踏まえれば「住民主体の地域福…

子どもたちの夏休み終了。 これで平日昼間の体力消耗は穏やかになる。同時に、目の前の肉体労働に追われて見えにくくなっていたものが一気に姿を現す。もっぱら法人の未来に関わること。 場所、人、金。みんな結びついている。切り離して考えることはできな…

これから生まれてくる命を否定することの帰結

妊婦血液で胎児のダウン症診断…国内5施設で http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120829-00000031-yom-sci 多くの大人たちはそれぞれが「親」の立場にわが身を重ねながら賛成だの反対だの言っているのだろうけれど、ダウン症の子どもたちとたくさん関わっ…

へろへろ

障害児支援におけるボランティア活動の社会的価値の変容や、幼児期の「発達障害児」を「福祉サービス」である「療育」につなぐことの難しさや、福祉事業のための物件探しにいくつもの法が立ちはだかることの理不尽さなど、書きたいことはたくさんあるが、夏…

ああ夏休み

twitterで言及した佐賀新聞の「障害児の夏休み」記事について何か書きたいが、体力的に長文は無理。 ボランティアと子どもたちが関わることの価値が減じることはないけれども、支援に求められる機能としては今の「福祉サービス」の中で代替できる部分が大き…

昨日から今日にかけてキャンプ。終了後すぐにまたガイドヘルプ。 自閉症の子ども向けの企画された音楽コンサートというものに行ってみたところ、プログラムに記載されている全曲目の終了後にまさかのアンコール演奏2曲。 わざわざ自閉症の子向けと明記するぐ…

よく読まれた記事の後には恒例の全くどうでもいい近況報告。 体調すぐれず。一時的に摂生していても、少し食べ過ぎるとすぐに大腸が悲鳴をあげる。大腸がんに関する記事とか見て、少し不安になったりもする。 職員ほぼ全員、連日のハードワーク。学生スタッ…

判決要旨の言っていることがよくわからない

先日のブログ記事で触れた「受け皿がないから刑務所に長くいてもらおう」判決。多くの人が「判決文はどこで読めるのだ」と思っていたところ、判決要旨がネット上で読めるようになった。どなたかわからないが、アップロードしてくださった方(山本眞理さん?…

「受け皿がないから刑務所に長くいてもらおう」という判決について

姉殺害に求刑超え懲役20年判決 発達障害で「社会秩序のため」 http://www.47news.jp/CN/201207/CN2012073001002297.html 司法が「社会秩序」とか言うな。そんなことは誰も頼んでいない。 関係者ならばよく知っている言葉に「社会的入院」というものがある…

広告は出したくない

ほっておくと来月1日からブログに広告を表示されてしまうことが発覚。 仕方なくはてなポイントをはじめて購入して、はてなダイアリープラスに移行。たぶん運営の思うツボであろう。広告を出さないようにする以外、何ひとつ新しい機能を求めていないので、た…

午前中もプールに行っていたという彼は、午後から10キロ歩いてもまだ動き足らない様子で、こちらの疲労などおかまいなしである。人間の感覚の多様性については少しぐらい勉強してきたつもりだが「疲れ」というのは、脳にとっていったい何であろうか。 疲れき…

他事業所のヘルパーといっしょに外出。これまでにはなかった。 もともとが介護保険事業所だけあって、支援中に「自閉症って治るんですか?」という質問がとびだすなど、もういろいろとアレな状態に閉口するのだけれど、うちの需給調整能力がもはや追いつかず…

離れたところにあって限られた情報しか持っていないのに、とても上から目線で権限は強大。その名は児童相談所。要保護児童対策協議会だとか地元関係者の判断のほうが正しいように思えて仕方がない。

希望と絶望

みんなが「いじめ」について語る。記事があふれる。首相もコメントを出す。文化人も芸能人もスポーツ選手もまちのおじさんおばさんもああだこうだ言う。誰も「わからない」とは言わないし、言いたくない。みんなが子どもたちに希望を抱かせようと熱意をもっ…

抜け出せない

考え方を変えてみれば、という助言をよく受けるけれど、それで考え方を変えられた試しがない。さんざん多角的に考え抜いた末にどうしようもなく悩んでいるのだし、考え方を変えることで能力がいかようにも変えられるならば、人の可能性は無限大だ。しかし、…

「いじめる側」と「いじめられる側」の距離について

ずっと昔から、いじめへの対応策が様々なレベルで提起されている。「逃げろ」と言うこともあるし、学校制度そのものの変容を唱えるものもある。子どもの「耐性」を鍛えるのが大好きな困ったおじいちゃんたちもいる。いじめる側を断罪するにとどまらず、晒し…

過酷な日々。書く気力なし。考えるよりも目の前の仕事。

「パターン」という意思の尊重

過去の彼を見てきた経験から「こっちに行ったほうがきっと楽しい」と思うが、彼はそれを選ばない。 天候不順が続き、しばらく行けなかった。一度行けば40分ぐらいは楽しめる。しかし、前回も行ったところに行きたがる。そこはつい昨日も家族と行っているよう…

「自分の頭で考えよう」をもう少し考えよう

少し話題になっている例の「自分の頭で考えられない」東大生の記事について。 東京大学には入ったけれど・・・ああ無常人生の失敗を始める頭の“良すぎる”学生たち http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35548 大学で非常勤講師として少しだけ勤めた経験があ…

不調。一日、引きこもり。 何もできず。

人生初

他人とうまくいかないのは、発達障害だから? 著者である姜昌勲さんからご恵投いただきました。友人以外からご著書をいただいたのは人生初です。ありがとうございます。 平易な文章で非常に読みやすく書かれた本と思います。「発達障害」観について書かれた…

他法人の職員が担当している事業の進め方について悩んでいるので教えてほしいと言って、やってきた。全くの初対面。 隣の自治体で利用者も重なっていないので、特に連携もない。法人トップどうしの関係はあまりよろしくない。当初はいろいろ勘繰りもしたが、…

学生たちによる「報告会」の風景

夜、学生スタッフが十数名集まって、事務所の隅で「報告会」らしきことがはじまる。 うちで障害をもつ子どもたちを支援している学生スタッフたちは研修の必要性をいつも感じているようだが、決して外部から講師を招こうとか、法人の正職員から本格的に教えて…

障害者総合支援法、可決

可決されたというのは知られているが(いや世間的にはそうでもないか)、どのような採決結果だったのかは、あまり知られていないと思う。本会議投票結果 http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/180/180-0620-v013.htm 投票総数234 賛成210 反…

研究プロセスからも発達は学べる

社会脳の発達作者: 千住淳出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2012/03/01メディア: 単行本 クリック: 25回この商品を含むブログ (9件) を見る 社会的な行動に関する脳科学研究の先端を伝えてくれる本。 脳科学系の本にはいつも感じることだけれど、紹介…

「それは一部でしかない」の無意味さ

生活保護の「不正受給」についても、子どもへの向精神薬の投与についても、批判に対して「それは一部の問題であって、全体の問題ではない」という反論がなされやすいのだけれど、この論法は必ず失敗すると思う(このふたつの話題がその内容において似ている…

・全く頑張れない。前向きになれない。 ・目の前の子どもへの支援には取り組めるが、経営者兼総務担当としての仕事に全く身が入らない。請求事務が精一杯。 ・それは、将来に向けて、組織が何も前進しないことを意味する。 ・まあ、自分ひとりがいくら頑張っ…