泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

高校の特別支援教育コース

 支援学校の入学式。どうやら向こう数年でいっそうのマンモス校になっていくようだ。
 高等部の新入生が見たこともないくらいの人数だった。小中学部はそれほどでもないので、中学校まで支援学級に通っていた生徒が高1になって、どこの受験もかなわず、支援学校に集中してきた、ということだろう(いちおう付け加えると、人口の動態変化もある)。
 中学校までも「環境が整っていて教員の専門性も高い(はずである)が、地域からは離れてしまう支援学校」か「地域の中にあるが、学校の受け入れ姿勢や教員の力量に不安がある支援学級」の二択でしかないが、高校はもう一択である。この地域には他の選択肢が生まれてくる雰囲気もない。
 やはり高校に「特別支援コース」のようなものが必要なのではないか。
 高校からは受験と偏差値の呪縛があり、「勉強ができなくても入学」とならない。たぶん卒業させる中学校もそれで当然と思っている。この子たちは高校から支援学校に行くのだ、と。
 しかし、高校の中で特別支援学級にあたるものを作り、一般的な入試とは違うルートでの入学を認めるのはそんなに難しいことであろうか。支援学校に多くのリソースが注ぎこまれるところを、他の公立校に分散させて、選択肢を増やしたほうが生徒たちにとっても保護者にとっても「自分に合ったところを選べた」という意識をもつことができて、よいと思うのだけれど。
 知的障害があるのに受験での合格を経た生徒たち同様に「○○高校」と名乗れることに反発がある? 何らかの専門コースが設けられている高校はたくさんあるのだし、高校の名前だけで人間が評価されることなんてないだろう。具体的に誰が損をするとも思えない。
 さらに、そのほうが校舎や教室の確保もしやすい。支援学校は生徒が20人増えたら、別棟の校舎が必要になってくる場所である。地元の支援学校では、ずいぶん特別教室がつぶされて一般の教室に転用されてきたが、それでは追いつかず、また新しい(小さな)校舎が建てられた。もうひとつ建てろと言われたら、もうグランドの真ん中にでも造るしかない。
 あとは、進路指導の問題があるか…。でも、もともと大学への進学率が高くない学校ならば、就職の支援は日常業務だろうし。その延長でなんとかならないものか。