泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

「受け皿がないから刑務所に長くいてもらおう」という判決について

姉殺害に求刑超え懲役20年判決 発達障害で「社会秩序のため」
http://www.47news.jp/CN/201207/CN2012073001002297.html
 司法が「社会秩序」とか言うな。そんなことは誰も頼んでいない。
 関係者ならばよく知っている言葉に「社会的入院」というものがある。この言葉に馴染みのない方はwikipediaの説明でも読んでいただければよい。今回の判決には「社会的入院から社会的入獄へ」なんて皮肉まで聞こえているけれど、ダメな福祉や医療が推し進めて批判されてきたことを、新たな形で「司法」が支持するならば、地域生活を送るためのシステムづくりに向けて社会が本気で尽力しない現状に、誰がどう歯止めをかけられるのか。
 その意味では「社会的入院」よりもさらにタチが悪く、おそろしい話。裁判員裁判「だから」こうなったのか。裁判員裁判「なのに」こうなったのか。裁判員だろうがなかろうが、同じ結果だったのか。とにかく判決文全文が読みたい。
(追記)
「批判だけしても無意味」「対案を示せ」というおなじみのコメントが散見されるけれど、この件に関しては「障害児者の地域生活支援や発達障害児の療育などのために小さいながらも社会資源を創出してきた自分に対して今さら何を」と言いたい。